映画 イエローハンカチーフ (2008)

  題名からわかるようにこの映画は幸福の黄色いハンカチのリメイクである。6年の刑期を終えた初老の男性ブレットが若い男女とアメリカ南部を車で旅をする。ロードムービーと言えば日常から解き放たれた解放感とレストランでホッとひと息つく感覚が見ていて味わえるものだがこの映画は違う。ブレットは禿げ上がっているが男前という設定である。若い男は先住民ハーフのゴードンといい故郷を追われるように出てきたという。若い女はマーティーンといい彼氏に酷いことをされ逃げるようにゴードンについて行っただけである。二人は古いオープンカーに乗り川を渡ろうとするが渡し舟の所でブレットを乗せる。

  モーテルや雑貨店で小さなトラブルを起こしながら旅が続くのだがブレットの無免許運転が元でムショ帰りであることがバレる。この辺は原作映画をなぞっているようだ。ブレットには訳ありの妻がいて待っていてくれるのか不明である。黄色いハンカチが出ていれば家に帰るが無ければ去るというハガキをブレットは出している。二人は同情してブレットを家まで送り届けるというがブレットも逡巡している。果たして帰ってみると船も家も無かったが橋の下に黄色いハンカチのついた船が停まっていたというオチである。

  日本の映画の方は情感の表現が優れていると思う。ハリウッド映画はそういうのはどうも不得手のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 96時間 /リベンジ (2012)

  元CIA工作員ブライアンが元妻のレノーアと娘のキムとイスタンブールで休暇を楽しもうとした矢先に謎の組織に拉致されるという話。設定も24時間とよく似ているし主人公が当事者として最強であると言うのも同じである。まずブライアンとレノーアが敵の手に落ちるが捕らえられたブライアンが敵の隙をついて手下を殲滅する。この時キムを携帯電話で呼び出し的確に指示をするが素人のはずのキムが工作員ばりの活躍をする。最後は元妻を救い出して敵のボスを殺して終わる。すぐには殺さずチープなトリックに掛けて殺すところがフランス映画らしい。結構ハラハラしながら終わりまで見てしまったが勿論リアリズムとは別物でありこういう事は起こりえないと思う。スパイが捕らえらればすぐ処刑されるというのが現実だろう。

 

 

 

Pioneer ネットワークプレーヤー (2)

    或る日iTunesにデータを入れ直しているとデータがMUSICというフォルダーに入っている。これにはポピュラー音楽を入れもう一つCLASSICというフォルダーを作る。これでHDDが一つで済むようになった。バックアップも取りやすい。

f:id:hohon77:20170305061042g:image

  プリアンプを電池式dualgateMOSプリにしたら本当に天国のような音になった。キレがあり柔らかくて空間への浸透度が驚異的だ。

 

 

 

  

東洋文庫 サーマディーヴァ作 屍鬼二十五話 インド伝奇集(11世紀)

  王に抱えられた屍鬼が王の耳元で語る美男美女の物語である。各話には尤もらしく都市と王の名が出てくるが大嘘の話である。美女は白く光る月のようだと喩えられる。男の方も一目見て恋に落ちるくらいの美男でしかも大金持ちである。こういう話が延々と出てくる。王はスパイを放ったり行者は魔術を使ったりする。いろいろな神が出てきて首を切られて灰になった者も蘇らせる。この本を通読できればインドという国のことが大体理解できるのではないだろうか。

 

 

 

 

東洋文庫 蕃談 (1849)

  1838年天保9年)4月に能登を出発した長者丸は松前で昆布を積み込んだのち強風にあおられ金華山の方へ流される(1839年11月)。ついには太平洋まで流され漂流するが米国の捕鯨船に救助され(1840年4月)当時のサンドイッチ諸島(ハワイ)へ連れて行かれる。10名の船員のうち漂流中に3名が死亡し船頭の平四郎もハワイで病死する。残った次郎吉らはハワイで便乗できる船を待ちながら接待を受けたり製糖の労役をしたりして待っていたが一向に米国の軍艦がやって来ず結局イギリスの商船でカムチャッカに行くことになる(1840年7月)。カムチャッカにはロシアの基地があり兵舎に寝泊まりする。食事は大変粗末なもので閉口する。次に送られたところはオホーツクでここは交易の拠点であり物資は豊富だった(1841年7月)。ここの長官はゴローニンの甥であると言う。ここから日本へ行く交易船があるのだが荷物が優先され結局ロシアの軍艦でアラスカのシトカへ送られる(1842年8月)。ここには要塞、役所、倉庫があり長官(ロシア・アメリカ会社支配人)がいる。ここで中央からの指令を待ちついには択捉島まで送り届けられるのである(1843年5月)。

  蕃談は記憶力に優れた次郎吉を幕府が取り調べ供述を記録したものである。次郎吉には絵心もあり民俗学的研究の書のようでもある。