東洋文庫 ライラとマジュヌーン (1181)

  ペルシアの詩人ニザーミーの作による悲恋の物語。王の命により作られたという。内容はアラビアのベドウィンの王族の娘ライラに恋したカイスが狂人(マジュヌーン)となって放浪する話である。語り口は口上の様であり詩のようでもある。一部を抜粋する。


  第27章 マジュヌーンの嘆き
  花の輿につきそう侍女の手に導かれて花嫁が降り立てば、その妖艶な姿は千人の画家が羨望するほどであった。だがその心には重い軛がかけられている。
  この結婚を知った時マジュヌーンは恋の苦悩よりさらに深い悲しみにうちひしがれながらも、絶望する心は恋人の後を追った。彼にすれば、胸に抱いた尊い妖精の像が砕け散ったのだ。

 

  第52章 後を追うマジュヌーン
  「ああ、世にありとあらゆるものを創りたまえる主よ、あなたに選ばれたすべてのものの名においてする私の最後の願い。苦しみに倦み疲れたわが魂を、この世の軛より解き放ちたまえ。わが魂を、恋する女の許に行かせたまえ。」
  こうべは地に伏せられた。両の腕はその下に恋人の眠る墓石を抱くように投げ出され、かすかにもれる言葉を最後に、マジュヌーンは息絶えた。「愛しい女。」

 

  全編こんな感じで延々と続いているのである。結局ライラは別の男に嫁いだのち後悔しながら死んでしまい悲報を聞いたマジュヌーンは悶え死にする。最後は宝塚歌劇の一場面と言っても違和感はない。


 

東洋文庫 J.マンデヴィル 東方旅行記 (1362)

  これは実際に旅行して書いた旅行記ではなく著者が当時流布していた書物を参考に纏め上げたものとされている。J.マンデヴィルは英国生まれの騎士であるというふれ込みだが真偽は明らかでない。エジプトのスルタンに仕えていたという経歴があるらしい。この本では聖地巡礼の主要な道のりおよび更に東の諸国のことが述べられている。


  コンスタンチノープルはまだ陥落前で皇帝の宮殿、聖ソフィア寺院、住民であるギリシャ人の風習や信仰のことが述べられている。当時の教皇ヨハネス二十二世の申し出に対し超強硬な返書を返している。


  エジプトの事にも詳しい。カイロに住むスルタンは五つの国を支配し強大な兵力を持ち三人の妻がいる。何時でも出向いた地の一番美しい乙女を抱くことができるという。

  エルサレム観光の詳しい案内、周辺の都市について述べられている。死海、エリコ、ガラリヤ平野、ナザレ、ガザの事が書かれておりまるで百科事典のようである。

  インド、ペルシャ、ジャバ、シナ、ダッタンについては仔細は省略する。特にプレスタージョンについては何章にもわたって詳しく述べられていた。日本のことはまだ出てこないようである。

 

 

 

 

映画 ロビンとマリアン (1976)

  12世紀の話である。伝説の人物ロビンフッドと仲良しのリトルジョンは獅子王リチャードと共にヨーロッパを転戦し今はフランスで戦っていた。第3回十字軍の帰りである。城を攻めた時矢を受けたリチャードはそれが元で死にロビンたちはイングランドに向かう。この頃の戦いはなかなかのしょぼさである。

  シャーウッドの森に帰還したロビン達は故郷の変化に驚く。新しい王ジョンの圧政でかつての恋人マリアンが代官に逮捕されてしまう。ロビンは城内に潜入しマリアンを救出するが長らく帰ってこないロビンに腹を立てたマリアンは尼僧になっていた。

  これから森で暮らそうと思った矢先、反乱を恐れたジョンはロビンらを殲滅すべく軍を差し向ける。農民を組織して立ち向かおうとするロビンに愛想を尽かしたマリアンは森を去る。せっかく再会したのに又ロビンを心配して待つことが嫌なのである。この映画ではマリアンは現代的な女性として描かれている。

  ロビンと代官の一騎打ちで勝敗を決めようと言うロビンに代官が応じ遂に戦いが始まる。最初有利だったロビンは年のせいかへばってくる。腹を切られ遂にやられるかと思ったその時ロビンは剣をぶっ刺して代官を倒す。馬車を降りてこの戦いを見ていたマリアンはジョンと共にロビンを修道院に運び傷ついたロビンをベッドに寝かせる。ところが手当てをするふりをしてマリアンはロビンに毒を飲ませ自分も飲みあなたはもう助からないと言う。ロビンはたまげるが最後は納得し二人で同じ墓で眠りたいと後をジョンに託した。

  ゆるい、ゆるい、ゆるいと来て最後に理不尽を見せてもらった。リアリズム的発想の歴史劇である。受け身ではなく女性にも主導権をというマリアンの思いが貫かれている。

 

 

 

 

 

 

 

部品の紹介

    イコライザーアンプの構成パーツを紹介するので参考にしてください。

 ユニバーサル基板 Bタイプ(95x72mm)に載っているのは、

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マルツオンラインの

照光スイッチ オルタネイト 青

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  このようにリードを曲げて底面を瞬間接着剤で基板に接着する。

 配線には2.54mmピッチのコネクターを採用した。

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XHコネクタ コンタクト
XHコネクタ ハウジング(4極)
XHコネクタ ベース付ポスト(トップ型) 4極

 の他に

圧着工具[オープンバレル型コンタクト用]【P-707】

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  も必要となる。

  ケースは

【HEN110312B】HEN型放熱ケース

  を用いる。

  モジュールの製作は秋月電子通商

丸ピンIC連結ソケット(両端オスピン・1列40P)

丸ピンICソケット(シングル40P)
16ホールユニバーサル基板(2.54mm)

  を用いる。

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CR型イコライザー III (4)

  DCサーボを組み込む。モジュール着脱式になっている。

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    信号経路からケミコンを追放した。聴き慣れた音になっている。PRAー2000を聴いているかのようだ。

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 定数はシミュレーターで決定した。

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中国の革命と文学3 郭沫若 郁達夫集

  郁達夫(いくたっぷ)の日本語テクストは読もうと思っても数が少ない。図書館でこの本を見つけて幾つかの短編を読んだ。春風沈酔の夜、過去、わが夢わが青春の三題で全部である。

  「過去」はマカオに流れ着いた失意の主人公がまったりと退廃したマカオの雰囲気を気に入りここに住もうと思った矢先、かつて交友のあった美人四姉妹の三女と再会する事で心が掻き乱され、楽しくもほろ苦い過去の日々が回想される。その当時次女に片思いしていた主人公は結局振られてしまうのだが三女とも後味の悪い別れをする。純文学風の情景描写もさることながら人物の描写もなかなか鋭いのに驚いた。

  「春風沈酔の夜」はほとんど無一文になった主人公が貧民窟のアパートに住むようになり隣人の貧乏な少女に淡い恋心を抱く話である。主人公はほとんど外に出ずたまに翻訳と小説を投稿しては糊口を凌いでいるという状況である。遂には夜に徘徊するようになり少女に泥棒団と誤解される。少女もタバコ工場の過酷な労働に苦しんでいる。やがて小説が一つ採用され原稿料が入り主人公が少し元気になる所で終わる。「わが夢わが青春」は筆者の幼年期から日本に留学するまでが述べられている。そこから先は「沈淪」に書いてあるのだろう。郁達夫に関する研究書は多いようだが入手可能なオリジナルのテクストは数少ないようだ。

 

 

 

 

 

 

オペアンプ使用イコライザー (4)

フィルター部を三つ追加した。

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④ 双信 QS30 50WV/1500PF
双信 QS04 50WV/ 5050PF

ひんやりとして音の分離が良く音像が立体的になる。質感もきめ細かく爽やか。 LME49720とこれで組めば驚異的なイコライザーになる。

 

ポリプロピレンコンデンサー 63V 1500pF    
ポリプロピレンコンデンサー 63V 5600pF

 

明るい感じがして良いかと思ったが質感が良く無い。キツイ感じが出てこれは我慢できないレベル。

 

⑥CaAmcE-152J 100V 1500pF (銅箔ポリプロピレン
CaAmcE-472J 100V 4700pF

 

柔らかくて良い質感が出ている。QS程の定位感は無い。

ついでに①〜③の印象も述べておく。

 

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①SE 1500P
SE 5100P

 

QSに加え蜜のような甘さが加わると考えればいいだろう。

 

②スチロールコンデンサー 1500P
スチロールコンデンサー 5100P

 

質感はいい。SEコンデンサー並み。

 

③積層セラミック 1500P
積層セラミック 5100P

 

 空間描写はマイカ系に近い。質感も悪く無い。最高級機に載っていても違和感は無いだろう。