映画 オデッサファイル (1974)

  ケネディ大統領が死去した夜、ハンブルグ在住のフリーランスジャーナリスト、ピーターが救急車を目撃する。病院まで追いかけたが単なる老人の自殺だった。居合わせた刑事に後日老人の日記を読んでみろと渡される。老人はユダヤ人で日記にはリガの収容所での出来事が書かれていた。その一節に所長のロシュマンの命令を無視した大尉がロシュマンに射殺される話がある。ピーターにはその大尉が戦死した父と同一人物に思えるのである。

  ユダヤ人の間ではロシュマンは生きていると噂されていた。ドイツ当局も建前上はナチ戦犯を追ってはいるが本気ではないようだ。またオデッサという秘密組織がありナチ戦犯の逃亡を手助けしているという。手がかりを追ううちにピーターは命を狙われるようになる。だがイスラエルのスパイ組織も暗躍中であり怪しい動きをしているピーターを拉致するが意図を聞き信用して協力関係になる。

  ピーターは病死したコルプという男に成りすましオデッサに接触する。その後はスパイ映画のような展開になるが僥倖を得てオデッサの構成員が書かれたファイル獲得とロシュマンへの復讐をともに成し遂げるのである。途中スナイパーとの格闘もある。

  お陰でエジプトによるイスラエルへのロケット攻撃も未然に防ぐことが出来た。ここまで来るとどこまでが事実なのかはさっぱりわからない。イギリス映画らしくバカなドイツ人を強調するようなシーンが時折出て来る。ヨーロッパの闇と毒が満載の映画である。

 

 

 

 

 

 

 

BSドキュメンタリー 定年・夫婦で走った40日 〜中米縦断・トレーラーの旅〜 (2001)

  テキサス南部に集結した24台のトレーラーハウスがキャラバンを構成してパナマまで走り抜ける40日間の記録である。5000kmを走行する。参加者は平均年齢67歳という子育てが終了した夫婦である。50年前から行われているイベントで開拓時代の幌馬車隊をイメージしていると言う。

  ミーティングで自己紹介した後、2001年1月12日の早朝マッカレンを出発する。30分後にはメキシコを走っている。リーダーはゲーリー(69歳)と妻のダーリン(65歳)でこの道30年のベテランである。ダーリンがナビを務め各車は無線でつながっている。最後尾のトレーラーは脱落車がないかチェックする。8時間後にキャンプ地のラガータに到着し最初の夜を過ごす。キャンプ場の使用料は一泊千円で水道、下水、電気が使える。この日もミーティングが行われた。1組が心臓の病気で参加を中止したと言う。

  二日目も8時間、446kmの行程である。これでは観光どころではなく耐久レースの様だ。5時間走って昼食となる。駐車場でめいめいが軽食をとっている。午後はゆったり走り日が傾いてくる。海辺の町タクスパンに到着する。三日目もハイペースで走行する。参加者もややナーバスになっている。エルタヒンに到着する。ここには世界遺産の遺跡がある。翌日見学して出発する。夫婦の会話を取材するが映画である様な辛辣な言葉は出てこない。建前が多い様だ。テコルータに到着する。ここではレストランの一角でパーティーを行なった。その後は海辺を散策する。

  1月17日未明に出発。カール(51歳)とナンシー(51歳)は再婚夫婦である。お互い子供がたくさんいたがほぼ子育ては終了している。古都ベラクルスに到着する。車をビーチに停め二泊する。この日は皆で夜の町へ繰り出す。翌々日出発するが天候がおかしくなる。今日は山を越える。5時間かかってラ・ベントーサに入る。二台が強風によるトラブルが生じて難儀している。参加者はこの長旅は冒険であり気晴らしでもあると言う。タパナテペックでミーティングし一泊。ロルフ(65歳)は旅行好きだった妻を亡くし一人で参加している。再婚は考えていないという。電子レンジでピザを調理する。

翌日はグアテマラに入る。サンタマリア火山が見える。観光地のベースとなるアマティトランに到着。ここで五泊する。男性陣は乾杯する。女性陣も話の輪に加わる。リラックスしたのかちょっと本音が出てくる。バスで1時間の古都アンティグアを見学する。観光客になり買い物を楽しむ。アティトラン湖に来る。ハックスレーが絶賛した景色である。少し風が吹いている。

  米国では夫婦で話し合って定年を自ら決める人が多いという。収入は半減するが時間が倍になると考える。エルサルバドルに向かう。最近地震があった所である。エル・ニーニョという町に入る。治安悪化のため騎馬兵隊基地でキャンプする。キャラバンは被災地に救援物資を届ける。衣類などである。エルサルバドルをさらに進んで行く。参加者は取材スタッフに昔話をしたり歌を歌ったりする。水道のインフラは破壊されていてガソリンスタンドで水を購入する。保養地リベルタッドに到着する。ここで3泊する。取材が進むにつれ老夫婦のいろいろな形がわかるドキュメンタリーである。

ホンジュラス国境を越えニカラグアを目指す。ホンジュラスは通り抜けるだけである。ニカラグアに入ると荒涼とした風景になる。古都グラナダに到着。市内の公園でキャンプする。ゴードン(68)とキャシー(51)も仲がいい。ゴードンは父の日記持参で旅を楽しんでいる。コスタリカに入る。中米の花園と言われているコスタリカは自然保護に力を入れているという。検問所ではトラブルがありだいぶ待たされ愚痴が出て来る。首都サンホセに入る。ディック(72歳)とキャシー(67歳)は感慨深げに語る。後は最終目的地パナマだけである。夜は全員でディナーを楽しむ。

  翌日24台のキャラバンは霧の山道を抜けパナマ運河に到着した。アメリカ橋を渡りキャンプ場に入る。最後に各夫婦にインタビューがあるがまた建前に戻っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NUTUBEヘッドホンアンプ IV (2)

  いよいよNUTUBEヘッドホンアンプ が真価を発揮し始めた。

 

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  ごついシステムだが電池切れの心配が無くなった。真空管半導体の良いところを併せ持ちIIIまでと比べ音が伸びやかで柔らかい。

 

 

映画 メリーに首ったけ (1998)

  米ローリングストーン誌の「90年代の最も素晴らしい映画 TOP100」 で75位にランキングしている映画である。ブロンド美人のメリーは気さくで弟思いのハイスクールガールである。障がいのある弟がからかわれているのを助けたテッドをメリーがプロムの相手に選ぶ。だが不幸なアクシデントによりテッドはプロムに出られず仕舞いでメリーとは卒業後離ればなれとなった。不幸なアクシデントとはいわゆる下ネタのギャグである。

  パーティードレス姿のメリーが目に焼き付いたテッドは恋に落ちてしまったがすでに13年が経過していた。知り合いに相談しメリーが住むマイアミに男が送り込まれる。この男は調査に成功するがテッドを騙してメリーを自分のものにしようとする。テッドは一旦諦めるが嘘に気づき知り合いとマイアミに乗り込む。情報を駆使した調査員の男はメリーとキスする関係まで進展していた。ところがメリーには建築家と称する松葉杖の友人がいてこの調査員の素性を調べメリーに忠告するのである。そこへテッドが偶然を装いやって来てメリーと夕食を共にすることになる。この辺まででも下ネタが随分炸裂している。

  蓋を開けてみると調査員は詐欺師、建築家の友人も詐欺師、マイアミに同行した知り合いも元ストーカー、テッドもストーカーと認定されメリーの周りは全員ストーカーだったと言うオチである。

最後はテッドの正直なところに惚れたメリーが去ろうとするテッドに逆プロポーズして終焉となる。

  真実は殆どないギャグでできた様な映画だが配役の妙が光っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 恋する惑星 (1994)

  この映画は米ローリングストーン誌の「90年代の最も素晴らしい映画 TOP100」 で9位にランキングしている。香港の雑居ビル重慶大厦を舞台に二組のカップルが繰り広げるラブコメディである。

  第1話。警官223号は常に失恋相手に電話をかけている。その間に犯人を追いかけ逮捕したりする。未練タラタラなのか警官223号は賞味期限5月1日のパイナップル缶を1ヶ月買い続けるという願掛けの様な事をするが結局失恋しパイナップルを全部食べて気持ち悪くなったというオチである。“その時、彼女との距離は0.1ミリ。57時間後、僕は彼女に恋をした”というキャッチコピーの割には金髪女との関係は全然恋らしく無かった。警官223号が重慶大厦の路地で元気に逮捕劇を繰り広げた。

  第2話。警官663号は不相応にも重慶大厦の部屋に一人で住んでいる。客室乗務員の彼女が去って行ったので少々ボーッとしている。行きつけのバーガーショップの新入り店員のフェイが気になるが仲はなかなか進展しない。フェイは少々変わっていて無愛想でマイペースである。アルバイトでお金を貯めて旅行するのだと言う。いつも大音量で夢のカリフォルニアをかけている。ひょんな事から合鍵を手に入れたフェイは警官663号の部屋に度々侵入し模様替えなどしていた。ある日偶然早く帰ってきた警官663号と部屋で出くわすが適当に言い逃れる。この後二人はデートの約束をするがフェイは現れずどこかに旅立って行った。再会するまでの一年間さぞかし警官663号はモヤモヤしたことであろうと思った。