映画 ランボー (1982)

  グリーンベレーで英雄のランボーがふらっと訪れた田舎町で保安官に因縁をつけられた事が発端である。不埒な流れ者なぞしょっ引いて痛めつければ禁固刑と罰金でぐうの音も出ないだろうとタカをくくっていた保安官だが執拗な嫌がらせにランボーのスイッチが入ってしまった。格闘技、カーチェイス、ゲリラ戦、サバイバルにおいてはプロ中のプロのランボーは留置場を抜け出し奪ったバイクで山へ逃げ込む。保安官とその部下たちはドーベルマンとヘリでランボーを追い詰めるが反撃を食らって保安官以外全員倒される。

  今度は州警察と州兵がランボーを包囲する。かつての上官トラウトマン大佐も駆けつけて皮肉を込めたアドバイスするがプライドを傷つけられた保安官は聞く耳を持たない。廃坑に立てこもったランボーだがロケット弾の攻撃にはひとたまりもない。廃坑に埋まって死んだと思われたランボーは坑道の奥へと進み抜け穴から出てしまう。軍用トラックを奪ったランボーは町に突入しM60機関銃で町を破壊しながら保安官のオフィスに迫るのである。大佐の予言通り町は恐怖のどん底に突き落とされ保安官は死ぬのだろうか。

  ランボーの破壊活動は思ったほどではなくショボかったが保安官は瀕死の重傷を負うことになる。この辺まではハードボイルドな展開が続き飽きさせなかった。だがランボーが自身の身の上を嘆き独白するところから品位がガタンと落ちてしまったようだ。少々残念な結末である。

 

 

 

 

 

 

 

 

映画 マイライフ・アズ・ア・ドッグ (1985)

  1957年頃のスウェーデンの話。イングマルは12歳の少年である。兄エリク、母アンキ、愛犬のシッカンと都会のアパートで暮らしている。父は南米でバナナを取る仕事をしているとイングマルは聞かされているが実は母子家庭である。母は女流カメラマンだが病気のため仕事をやめ家で寝ていることが多い。兄は弟想いのいい兄では無くいつもイングマルをなぶるような事をする。母も愛情が薄い感じで激怒したりヘマをやらかすイングマルを突き放すことが多い。こんな状況だがイングマルは本で読んだもっとひどい話を思い出して自分はまだましだと考える習慣を持っている。

  さてとうとう母の病状が悪化すると兄はホテル暮らし、イングマルは田舎の叔父の元へ送られる。叔父はイングマルをサッカーのチームに入らせる。すると地元の子供達がイングマルにボクシングを教えたり手作りの宇宙船に乗せたりして構ってくれる。叔父も社宅の庭にイングマルと東屋を一緒に作ったりして遊んでくれる。階下に住んでいる初老の男は病床に就いているがイングマルを呼び少しエロい下着のカタログを朗読させて構ってくれる。どこか次世代を育てようという意識がコミュニティに感じられる。そうしないと強い国にはならないという経験則でもあるのだろうか。

  女性陣もなかなか活発だ。グラマーな工員ベリットや男の子のような少女サガもイングマルの事を構ってくれるので少しずつ色々な体験をする。面白い事を沢山見聞きしたイングマルは母に会って早く話そうと思っている。

  母の病状が安定したのでイングマルと兄は家に帰ってきた。イングマルは母の元でベリットの話を始めるが話が下手な事もあり母は全部聞いてやらずに突き放してしまう。いよいよ母が入院するとイングマルは母にクリスマスプレゼントを贈ろうとする。自分で考え電気式のトースターを貯金を使って買ってくる。だがすでに母は亡くなっていた。

  再び叔父の元に送られたイングマルは一人暮らしの祖母と夜だけ寝にゆく生活を強要される。イングマルは家を飛び出して反抗するがシッカンが来るならいいと言う。叔父は了承するがシッカンはすでに処分されていた。サガは成長したオッパイをイングマルに見せ新しいボクシンググローブをプレゼントする。二人は同じクラスで学ぶことになる。叔父さんの所にテレビが入る。サガも誘われて一緒にテレビを見るがこの時の叔父の態度からシッカンの事情を知る。

  ある日パーティーでクラスの女子とサガがイングマルを取り合うという修羅場になるのだがサガの足に抱きついたイングマルにサガはシッカンは死んでいるという言葉を浴びせる。とうとうおかしくなったイングマルはワンワンと吠えながらサガにパンチを繰り出す行動をとる。二人はリングに移動し試合をするがイングマルは激しくパンチを浴びリングから下へ落下する。

  その夜イングマルは東屋で寝ることになった。母が激怒する夢を見るイングマル。叔父が朝訪れるとイングマルは泣いていた。その頃変人のフランソンが氷の中を泳ぎ始めていた。皆んなでフランソンを助け出しガラス工場で暖をとらせる。

  春が来て村人のいつもの暮らしが始まる。ラジオでボクシングの試合が中継される。スウェーデンが勝った。サガとイングマルは抱き合って眠っている。

  イングマルはスプートニクライカ犬の事をしきりに気にしていたし自分の愛犬も今回の騒動で失って いる。だが映画を見る限りイングマルの前半生は犬になぞらえるほど悲惨ではなかった。いい国に生まれたお陰である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

吉田秀和 名曲のたのしみ 2010.9.18放送分 NHK FM

  御歳96の吉田秀和が鎌倉の自宅でマイクに向かって原稿を読んでいる。ハイドン交響曲第97番ハ長調を解説する。要するに祝典的な堂々たる音楽だと言っている。

  ではアーノンクール指揮 ロイヤルコンセルトヘボウオーケストラアムステルダムで全曲続けて聴きましょう。〜いい音で演奏が流れる〜

  ゆっくりとした序奏の後は明るく堂々とした音楽になり、緩徐楽章、メヌエット、軽快なフィナーレと続く。ドイツの典型的な宮廷音楽だが時折ヘンデルの水上の音楽の響きが聴こえてくる。

  続いてハイドン交響曲第98番変ロ長調の解説に入る。ロンドンの演奏会で演奏された曲である。楽章の解説があり演奏会で指揮のハイドンのピアノが入ったという故事に言及している。このCDにもピアノが入っていると言う。これもアーノンクール指揮 ロイヤルコンセルトヘボウオーケストラアムステルダムのCDで聴く。

  この音楽が当時どの位革新的だったのか測りかねるが第1楽章にはフーガも取り入れているしオケの響きもメンデルスゾーンかという位こなれている。

  終了後はNHKアナの案内と時間調整用のデベロティメント風の曲が流れて午後10時の時報となる。こうして土曜の夜は更けてゆく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LPレコードを楽しむ

  サイモン&ガーファンクルはこの辺を押さえておけば堪能できるだろう。少し欠けているが完璧過ぎるコレクションは楽しむ時間を減殺するという副作用がある。

 

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  イコライザーとプリのお蔭で極上の音を楽しんだが商業主義の毒を浴びてしまった。そういう時はビル・エバンスを聴くとほっとする時間が得られる。