連休中もレコード連続試聴を続ける。Aoulosレーベルである。
Bebegnubgen他の方は前衛音楽だが声や楽器が生々しく録れている。長岡鉄男のA級外盤で取り上げられれば特筆物だろう。幸福の王子は延々とドイツ語のナレーションが続くが所々短い音楽が入る。
この回路ではオペアンプの消費電流が重要であり終段エミッタ抵抗が無ければHCAとして動作するという特徴がある。消費電流を実測した。
終段コンプリでエミッタ抵抗なしというのはなかなか無さそうだ。
部品を取り除いたところ。
本書は清代蘇州の歳時風俗を記した書である。わざわざ清嘉録と銘打ってあるのは著者のこだわりで、当地である呉の風流を愛する心の表れである。
正月
行春(春牛の巡行)
仕来りとして、立春の一日前に、郡守が僚属を率いて婁門外の柳泉堂に春を迎える。供回り先払いを整え、盛大に旌旗を立て、前には社夥を列ね、春牛を殿(しんがり)とする。見物人は黒山をなし、男も女も争って春牛を手で摸でる。摸でると新しい年に幸運が得られるという。
飛帖 (名刺を投ず)
下僕を遣わして紅神の単刺を親戚や友人の家に投じさせ、自分で年始に行かない者も多い。この場合は答礼も同じ様にする。これを飛帖という。
五月
正面の間には五月中、鍾馗の画像を掛け置き、邪気悪鬼を祓う。
端五
五日は俗に端五と称する。瓶に蜀葵(たちあおい)、石榴、菖蒲、蓬艾(よもぎ)などを挿して供え、婦女は艾の葉、石榴の花を髪に簪す。これを端五景と号ぶ。
八月
月餅
人家では、月餅を贈答しあって、中秋の節物とし、十五日の夜、瓜果とともに月を祭る筵前に供える。
十二月
焼松盆(どんど焼き)
その夜、郷村の農家では、それぞれ門首に松の枝を井げたに組んで、屋根の高さまで積みあげ、火をつけて焚く。煙焰は天を照らし、あかあかとして霞布のようである。これを焼松盆という。
異国の風習であるが読んでいると懐かしいような心地良い気分になる。
新進脚本家リチャードは八年前の変な出来事の謎がふと泊まることにしたグランドホテルに隠されていることに気づく。謎とは大学でリチャードの処女作を公演した後に身なりのいい老女が近づいて来て懐中時計を手に握らせて「帰って来て」と呟いた事件である。ホテルの資料室でじっとこちらを見ている美人の古い写真に何かを感じたリチャードは彼女がエリーズ・マッケナという女優であり1912年にこのホテルのそばにある劇場で公演を行なった事をホテルマンのアーサーから聞き出す。
リチャードは図書館でエリーズに関する資料を調べエリーズの元メイドに接触しエリーズの亡くなった日が処女作公演の日、愛聴曲が自分の好きなラフマニノフの曲、愛読書が「時の流れを超えて」である事をつかむ。直ちに著者の大学教授に面会し時間旅行の方法を聞き出してそれを実行する。ホテルの古い宿泊簿には1912年の公演当日に自分の名前があるのを確認してある。時間旅行の方法は一種の催眠術で古い物に囲まれて暗示をかけるという方法である。リチャードが目覚めると景色が変わっていてそこは1912年のホテルの一室であった。
この後の展開はわりとありきたりで二人は相思相愛になり体の関係まで行くのである。しかしつい気が緩んだリチャードが現代に引き戻されて二人は永遠に会えなくなる。いや会えているのだが62年の時間差が壁の様に立ちはだかるのである。リチャードは絶望のあまり廃人となり薄れ行く意識の中で彼女と再会する。
最後は中国の志怪小説もどきになったが、ビジュアルも音楽も最高の出来であり結構しみじみと心にくる。
ロシア貴族の家庭に生まれたチャイコフスキーは幼少時に音楽が頭の中で鳴るという天才としての才能が芽生え、やがて作曲家としての人生を歩むようになる。だが作品を書いても評論家のレビューで酷評され続けるという目にあう。ピアノ協奏曲は友人のルビンシュタインにも演奏を断られる有様である。どうやらロシアの音楽界は旧守的であるばかりでなく底意地も悪いようである。だがチャイコフスキー独特の抒情的な音楽に感動して惜しみなく援助してくれるフォン・メック夫人の様な人も現れる。
チャイコフスキーは人格的には偏屈で陰鬱なところもあり友人とはしばしば対立する。だが音楽院教授で男前であるチャイコフスキーの妻の座を狙う女も現れてチャイコフスキーはミリュコーワというろくでもないのを妻にする。結婚して後悔するのだがあとの祭りでとうとう自殺未遂まで行くが結局大金を払って別れてもらうのである。この時のお金はフォン・メック夫人が用立てた。パリでルビンシュタインが客死するがピアノ協奏曲のパリでの評価はどうだったのだろうか。映画ではよくわからなかった。チャイコフスキーは友人のツルゲーネフとも喧嘩してロシアに帰ってしまう。
この頃はフォン・メック夫人にも縁を切られており苦悩するチャイコフスキーだが歌劇「スペードの女王」を書いてついに大成功を収める。賞賛され聴衆に取り囲まれて歩いて行くチャイコフスキーだがその後謎の死を遂げるのである。享年53歳。
登場する俳優は肖像画そっくりで背景の作りもよくビジュアルは満点だと思う。音楽はふんだんに使われているが100%効果的かどうかはなんとも言えない感じである。
チャイコフスキーの伝記物としてもう一つ「恋人たちの曲/悲愴」があるがこちらは打って変わって悪趣味で露悪的な作りの映画である。月曜ロードショーでみてびっくりした思い出がある。