2020-04-30から1日間の記事一覧

東洋文庫 鹿洲公案 清朝地方裁判官の記録 (1730年頃)

本書は広東省の潮陽県の知事代理だった藍鼎元が記録した当時の裁判記録であり、ほぼ実際にあった事という。本文を読んで行くとわかるが、藍鼎元は大した人物であり、書かれている内容は小説以上に面白い。 1 県吏員のストライキ 飢饉と税収不足で軍の兵糧が…

失われた時を求めて (106)

プルーストはアルベルチーヌの死についてあらゆる角度から検討し、仮定を元に推論し、各時代の文学的表現を用いて繰り返し述べるのだ。死を悼むこういう章句を見つけた。以下引用文。(吉川一義訳) 《アルベルチーヌは二度と戻ってこない、死んだのだ。わが…