田中隆尚 へらす巡歴

   船はパトライの港に入り 著者は下船する。そこから アテネ行きのバスに乗る。

>バスはまた海岸に出て、沿岸にオリーブの森がつらなり、
コリントス灣の水はあさぎにすきとほつて、 海底の石が
>手にとるやふにあざやかに見える。そのむかうの對岸の
>雪のましろくつもつた山のつらなりにいま夕日の光が
>あたつてにほつてゐる。

     描写は日本文学として相当な域に達していると思うが。あとで村上春樹と比べてみよう。