村上春樹 遠い太鼓 (1990)

     ギリシャ、スペッツェス島の描写。

しばらく走ると眼下に小さな集落が見えてくる。緑の松林と青い海の間に、こぢんまりとした白壁の家が何軒か肩をよせあうように並んでいる。白い砂のビーチがあり、簡単な船着場があり、タヴェルナがあり、その先の方には円屋根の教会の姿も見える。美しい光景だ。

   色彩と比喩を使って純文学調になってはいるが随分素っ気ない描写と思う。

遠い太鼓 (講談社文庫)

遠い太鼓 (講談社文庫)