映画 エーゲ海の天使 (1991)

    イタリア映画だがギリシャの小島でロケが行われたとある。中尉以下少人数の部隊がギリシャの小島を占領し偵察と連絡の任務を行う。訓練不足で遂行能力に乏しい部隊なのでトンチンカンな事が起こり続ける。無線機を壊しロバを撃つ。よく探索していないのでここが無人の島だと思っている。しかし裏側に住民が隠れて住んでいた。やがて住民に遭遇するが老人と女子供しか住んでいないようだ。上品なイタリア語を操る神父がうまく兵隊を懐柔する。実に巧妙に行う。兵士たちも安心して村の生活に溶け込んでゆく。早速美人の娼婦が営業に来る。軍曹は緊張して応対したので漫才のようなやり取りも生じた。兵士たちが陽気にサッカーなどしていると山に信号弾が上がった。やってきたのはトルコ人の商売船のようだ。もたらされた情報は曖昧でヨーロッパの情勢など分からない。船を徴用して脱出を計ろうとするがトルコ人の方が上手だった。みんなが酔いつぶれて眠っている間に金目の物を盗んで帰っていった。狼狽する軍曹に神父はにっこり笑って隠していた武器を見せる。ギリシャ人の方がイタリア人より狡猾で抜け目がない。トルコ人との交流が長いからだろう。

   安穏とした暮らしが続く。これだけ女性がいれば兵士たちにとっては楽園だ。イタリア人は陽気ですぐ口論になるがペナルティキックでケリをつけようとする。そこへイタリアの空軍機が緊急着陸する。操縦士からムッソリーニは倒れイタリアが分裂状態である事が情報としてもたらされる。忙しそうな操縦士は修理が終わると去っていった。

    男の一人は娼婦と普通に祝福されて結婚した。とうとうイギリス軍が到着、みんな帰る事になった。みんな身なりはすでに民間人のそれである。元脱走兵の男はボートで一足先に逃げ出している。死んでしまったかもしれない。結婚した男は島に残るが脱走兵の扱いになる。

   30年くらい経ち中尉が男を訪ねる。娼婦が死んだという知らせが届いたのだ。軍曹も島に居た。いろいろあってここに戻ってきたという。三人は酒を酌み交わす。