シーナ・アイエンガー 選択の科学 (2010)

      テレビは最終回を録画して見たし所々に新説もあると感じたが、このかなり厚手の本を読んでもそれほど楽しくは無かった。この論考の目的は幸福になるための方法を明らかにするという事のようだが引き合いに出された不幸の数々を読む事でかえって暗い気持ちになる。例えば「死ぬまで泳ぎ続けるラット」や「遭難した人間」の話は想像しただけで暗澹たる気分になる。又、「最下層の公務員は死亡リスクが高い」とか「動物園の動物は早死にする」とある。データはそうだとしても僕は動物園の孔雀なのでこの事は知らない方が良かったと思う。

    大体人は(孔雀も)無意識のうちに選択する。扁桃体や前頭葉を使ってオートマティックになされている。これをノートに書いて完全に意識にのぼらせて検討するというのは100%前頭葉を使えという事で一種の強制では無いだろうか。僕は無意識の選択の方を支持する。
  

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

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