映画 柳と風 (1999)

    イラン北部のある村、分数の授業を受ける児童たち。そこへ転校生が現れる。アルダカーンからやってきたアルダカーニという少年だ。席を決めてもらい授業を受けるが外の雨に見とれている。先生が何度も注意するがやめない。雨を見た事が無かったことが理由らしいが罰として教室から出されてしまう。廊下には割ったガラスを弁償するまで教室に入れてもらえない少年がいた。少年の名はクーチェキ。今日中にガラスを入れないと退学になるという。二人は友達になりアルダカーニがお金を貸してくれるという。

    ここまで見てトルコ人もルックスが良かったがイラン人はさらにいいと感じた。なんか混じり気が少ない。国土は広いがトルコに比べ乾燥地帯がはるかに多くなるようだ。

   アルダカーニは発電所の技師である父の職場にクーチェキと行き500トマンのお金を貰う。クーチェキは父親からガラスのサイズのメモを貰いガラス屋に一人で行く。ところが行ってみるとサイズがわからない。曖昧な記憶でガラスを切ってもらい学校へと向かう。代金は250トマンだった。重いのと風が強いので運ぶのに苦労する。墓地に差し掛かった時突風に見舞われるが知り合いのバイクに乗せてもらうことになった。この知り合いは親切なのか意地悪なのか危ない運転をする。クーチェキは途中で降ろしてもらい歩き始めるが雨が降り始める。
 
    教室についたが窓が高くて取り付けはとても無理そうだ。机を重ねて台を作る。そのとき窓から校務員が帰って行くのが見えた。カナヅチと釘とパテで自分で入れようとする。サイズは?合っていた。だが手を離すとガラスが風で落ちてしまう。

   この時点でガラスを教室に置いて帰り翌日はめてもらうという選択もあったのではないかと思う。

   カナヅチを取ろうとしてドアを開けた途端ガラスは粉々に割れてしまう。お金はあと250トマンあり、7時までに行けばもう一枚切ってくれるのだが。時計は6時30分を指している。夕焼け空を背景にクーチェキが知り合いのバイクに乗せてもらう所で映画は終わる。

      実話のようでありメタファーのようでもある。女の子が教室にいない。物資が不足しているのは本当だろう。大人の態度には微妙に違和感がある。イラン人の気質がまだよくわからない。