映画 Le doulos いぬ (1963)

    表題のLe doulosは密告者という意味の隠語。これはサスペンス小説を元にしたフランス映画だが泥棒対警察対密告者の三重奏になっていて最後の種明かしまで何が何だかよくわからなかった。主人公が曖昧なのである。

   結局密告者が誰であるかに気づいたシリアン(ジャンポールベルモンド)が仲間のモーリスを助け、密告者を始末し、ついでにクラブの経営者(マフィア)も殺して金を奪う。泥棒仲間のチームワークが少しだけ発揮されたように見える。

    だがモーリスとシリアンはマフィアの報復によって殺されてジ・エンドとなる。登場人物がほとんど死んでしまうという珍しい結末である。早く足を洗わないといずれ泥棒は犬死にするという教訓のような映画だった。