岸辺のアルバム 第5回

   ある夜、謙作は疲れていたが妻にビールを付き合う事になった。しみじみと話しながら謙作はため息ばっかりついている。会社のママ友は病状が芳しくない。則子が見舞いに行くと重い事を言われた。ガンの告白と不倫の告白だった。不倫相手に伝言を頼まれる。相手は主婦相手に売春をしている都立大学生だった。作者は何もない人生より悪い遊びの思い出があった方がいいと登場人物に言わせている。

    このドラマにはちょっと危険なメッセージ性がある。次のデートではドビュッシーの話から又不倫の説得になる。モーツアルトの音楽をバックに不倫の是非について議論が行われる。これには40年の年月を経ても結論が出ている訳では無いが、一つ言えるのは不倫の嫌いなもの同士で結婚しておけば特に何も問題は起こらないはずということだ。二人は意見が合わず別れたがしばらくしてママ友が急逝する。嵐が去ったような日々が訪れるが謙作との間にはケンカが絶えなくなる。しばらくして男と渋谷での密会が始まる。今度は則子の方もその気である。