岸辺のアルバム 第11回

    OLの話は謙作が会社で行っている悪事のことだった。東南アジアの女性を社員として雇い日本でホステスをさせると云うものだ。ここは原作を改変した所で本当は死体の輸入という事だった。どっちが衝撃的と言えるだろうか。よくわからない。繁は謙作の部下を呼び出して裏を取ろうとするが顔色を変えて怒りだし剣もほろろに帰っていった。

   いつの間にか渋谷のルミエールで則子と男が会っていた。則子が建長寺の図書を口実に男を呼び出したのだ。こんな誠実な男はいない位だが何故か家庭では不幸そうである。居場所を嗅ぎつけた繁が現場に乗り込んでくるが入れ違いだった。二人はこれで最後にするつもりだ。間一髪二人を見つけた繁は男を酒場で捉えて問い詰める。男はもう別れたと答えたが繁は納得がいかないようだった。

     夜、繁は久しぶりに哀愁に会いに行く。するとある事を打ち明けられる。繁の家の手付けを哀愁の父親が打ったが払えなくなり流れたのである。それで少しだけ恨んでいるという。哀愁は繁をアパートに呼んで父親と対面させる。離婚して家で2年間ゴロゴロしている父親の事を繁の前でなじる。繁は少し感銘を受けたのか河川敷で偽善にまみれた自分の一家を罵る。酔った勢いで大声で歌いながら家に帰ってきた。繁の家族は大いに慌てて部屋に閉じこもる繁にやめろと言うが抵抗は続く。