映画 帰らざる日々 (1978)

    主人公の辰雄は飯田市の工業高校でのんびりやっていたがひょんなことから科の違う隆三と友達になる。隆三は両親を亡くし叔父の世話になっているのだが、辰雄が憧れている美人ウェイトレスのいとこだった。辰雄には元同級生でバーで働く由美という彼女もいる。彼女の方から辰雄を誘い体の関係まで行く。さらに隆三の計らいで美人ウェイトレスともデートしキスをした。

    いやいやそんなバカなというくらいもてている辰雄だが父親は女に走り離婚で揉めているし成績も良く無い。卒業後は東京に出てキャバレーのボーイの仕事についた。今は作家を目指しながらキャバ嬢と同棲している。

     この流れはゆるくて自由奔放な時代を感じるもののあまりドラマ性は無い。美人ウェイトレスの不倫関係、由美の大阪への転居などがありもやもやした辰雄は隆三のやっている天竜川のボート運びのバイトをいっしょに始める。これが元で隆三は足を切断する事故に遭うことになる。隆三は競輪選手の夢も断念し辰雄とも疎遠になった。 

     或る日交通事故で父親が死んだという知らせが入り辰雄は飯田行きの急行に乗る。飯田に着き母親の運転するシビックで葬儀場に向かう辰雄はラジオで
流れている事故のニュースを聴いた。加害者は隆三で飲酒運転の上での事故だった。辰雄は隆三を見舞うがすぐ隆三も亡くなった。

    因縁めいた悲劇だが辰雄は幸せに恵まれなかった隆三の事を思い嘆き悲しんだ。父親の事は気にしていない。辰雄はまだ23歳の青年である。