映画 あるべらえず うんべると ー消え入ぬようにー (2005)

   1997年の東京。日本語の達者なウンベルトは語る。パンツ一枚でニコニコと喋っている。32歳のコロンビア人だ。とび職をしているがその正体は不法滞在者である。ある日監督はウンベルトの彼女のマヤも呼んで食事会をひらいた。翌日テニスをして事情を聴く。ビザの問題があるが彼女に子供ができればビザを取れると言う。今度は飲み会をする。タバコを吹かしながらいろいろと語る。フィアンセの写真を出す。みんな驚くが5年経っているので関係は壊れているかもしれないが本当のところはわからない。マヤは知ってて付き合っている。  
 
   夏の終わりにみんなでバーベキューに行く。ウンベルトの仲間も誘う。渓谷の河原にテントを張り3日間楽しんだ。ウンベルトは転職することになる。1998年になりウンベルトの兄が日本に出稼ぎにやって来たが馴染めず帰って行った。ウンベルトの方も仕事が無く困っているようだ。よく見るとウンベルトは喋りながら車を運転している。お金を貯めて一年間コロンビアに帰るのだという。マヤと籍を入れたという。帰国の前日の夜いろいろ語る。もしビザが出ない時はマヤがコロンビアに来るのだと言うがマヤは言下に否定する。1ヶ月後マヤが帰ってくる。するとコロンビア大地震が起こった。ウンベルトと電話が通じない。が無事であることが判明。ウンベルトは11人家族で貧乏だと言う。コロンビアは給料が安く物価が高いので出稼ぎで何とかするしか無い。
 
    今度は監督の母がやって来た。父のDVが有ったようだ。マヤが語る。マヤは妊娠したが流産している。帰ってこないウンベルトのことが吹っ切れたようだ。同棲を二年し入籍したのだがもう別れてもいいと思っている。だがウンベルトはまた来日する。 

   2003年になりこんなことがあった。マヤが言うにはウンベルトが遊び歩いていて出て行ったという。離婚届にも署名させたという。ウンベルトにはともみという女がいて妊娠させたようだ。ともみと両親を交えて話し合うが子供を堕ろすように言われる。ウンベルトは産むことを強硬に主張している。ウンベルトは監督のアパートに転がり込み就職口を探す。 

    ともみが語る。両親の嫌いな外人と先に妊娠したことで揉めたのだがおばさんは同情してくれたという。両親とウンベルトの言い分は平行線だ。ともみと電話で話すとおじとおばも子どもを堕ろしてウンベルトが働いたらと言っているらしい。ウンベルトは電話でコロンビアの姉から不倫だと言われて混乱している。弁護士にも相談する。ウンベルトはビザが切れたら日本を出る事になる。マヤとの離婚が成立して無いのも問題だ。

     仕事が見つかった。週6日で時給が1200円という。ウンベルトはアパートを借りて出て行く。マヤとレストランで話し合う。マヤは気持ちでは許せないと言うが離婚を承諾した。体力が持たず仕事を辞めたウンベルト。このあとウンベルトはしばらく連絡を絶つ。 
 
    ウンベルトがとび職の仕事に就き、ともみとアパートで生活を始めた。パパになるとコロンビアの姉にも電話で話す。赤子を抱くウンベルト。ここで映画は終わり。何とか幸せをつかんだのか。