ブライアン・バークガフニ 庵 (1995)


     カナダ、ウィニペグ生まれの著者がオタワの大学に進み一年休学して自分の貯金でインド旅行を試みる。ロンドンから入りヨーロッパを横断しギリシャ、トルコ、イラン、アフガニスタンパキスタンと進む。イランでは嫌な目にあってすぐ出国した。テヘランにいた時印パ戦争が勃発したが程なく終わってなんとかインドまでたどり着いた。インドではヒッピー天国のゴアでのんびりしたりアシュラムでヨガの瞑想をしたりしていたがある日忽然と日本で禅の修行をしたいと思うようになった。これで家族や恋人との別れ、大学中退という事態になってしまう。

     ブライアンは大学教授を訪ね四国にある禅寺を紹介され入れてもらう。そこで1年半修行した後京都妙心寺専門道場で雲水となる。そこでの修行が詳しく語られていて興味深い。日本にきて9年が過ぎ仲間達が住職になってゆくのを見ながら自分は長崎に出て行きここに庵を結ぼうと決心する。 

     アパートに住み英会話の仕事をしながら廃屋を借りて自分で住めるように補修し、自給自足の生活を送りながら美智子という女性と結婚し一男一女を得た。 

      大自然と文明があるカナダに見向きもせず、車谷長吉が尻込みしたという雲水の修行をして、北の国からの五郎のような生活をする。これは一体何?