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森本達雄 編訳 原典で読むタゴール (2015)

    日本紀行 抄 の章で日本人が争わない事についてこう述べている。無益な叫びや口論によって精力を浪費せずその力を有用な事に使うのでいざという時に力を発揮できる。自己表現を思い切り簡素化する事で俳句のような三行詩を生み出し、花鳥風月を静かに追い求めることで純粋な美の享受が可能になる。国民全体に教育がゆきわたっているだけでなく一人一人が修行を行っているように見える。 

   タゴールは西洋やベンガルには無い日本の美点を見抜きながら警告も発している。軍備を持つのは良いが自己防衛にとどめておくべきである。中国に進出したならその理想とするものを瓦礫と骸骨の山の上に建てる事になりとことん幻滅を味わうだろう。そして数世紀をかけてその瓦礫を片付けることになるだろう。と日本の行く末をずばり見抜いていた。  

    タゴールは詩人らしく思うところを直言したけれど日本の文壇は反論に転じタゴールの論文は殆ど無視されることになる。