BS ドキュメンタリー 北方領土 終わらぬ戦後 (2015)

   24年前の島民アンケートの資料を紐解いてみると今とは違う温度差がある。ゴルバチョフが来日した頃である。その時の取材に元気に答えていた留別(択捉島)出身の一戸さんはすでに92才になり脳梗塞で寝ている。今は返還については諦めの心境にある。 

     1936年の映画 生命の冠には北方領土で島民たちが豊富な海産物に恵まれ元気に働きながら暮らしている様子が写し撮られている。やがてソ連軍が侵攻し島民は全員強制退去となる。島民がフェリーで函館港に入港する時の映像がある。その後島民は組織を作り返還運動、国家補償を求める運動を行っていた。今でも会合が行われるが組織は高齢化とともに消滅の危機にある。会長のK氏は解散するかどうか考えているという。  
    
    国後島は近年ロシアによるインフラ整備が進んでいる。それとともに移住者も増加している。四島のロシア人の居住人口はすでに17000人に達した。1990年の島民の墓参りの映像が出てくる。まだ原野のような海辺で島民たちは帰ってきたぞーと叫んでいた。
 
   千島連盟前理事長の小泉氏は92才になり体の不調が出てきている。色丹島に孫と2年前に訪れたという。今日はクリニックを受診した。まだまだ動き回れる体だが色丹島を次に訪れる機会は無いと思っている。

   このドキュメンタリーでは二島返還が潰えた経緯については極力避けているように思えた。二島返還だと島民同士の確執もありそうだ。