映画 スウェーデンイェルム家 (1935)

    名門スウェーデンイェルム家は科学者である父のロルムと二人の息子、娘の四人家族である。母親は亡くなっていてベテランの家政婦が一家の生活を支えていた。だがイェルム家の家計の実態は火の車で息子達は借金を重ねていた。頼みは父親のノーベル賞受賞と特許料だが今年もどうだかわからない。そこへロルムが旅から帰ってきた。落ち込んでいるはずが何故か躁状態にある。  
   
    次男は父の知り合いの高利貸しから借金していた。それには父のサインがしてあった。高利貸しはこのサインが偽物だと誤解して談判にやってくる。誤解の原因は家政婦で、足りない家計費を賄うため偽造のサインで他の業者から借金をしていたのだ。高利貸しはそちらが本物と勘違いしていた。その時イェルム家はロルムのノーベル賞受賞の知らせで浮かれていたが話を聞いたロルムは息子が犯罪を犯した事に動揺する。高利貸しはロルムの古い知り合いなので何とか口止め出来たのだが落ち込んだロルムは授賞式に行かないと言い出す。    
   
    家政婦はこの事態に驚くが元々の原因は家計費を入れないロルムにあるとし借用書を偽造した自分は牢屋に行くと言う。だがそれらの借金は殆ど返済済みだと言う。息子の無実が分かり安堵したロルムは家政婦に感謝の言葉を言い授賞式に行く。ロルムは国王からノーベル賞を授与されこれでイェルム家は安泰というところで映画は終わる。  

    こういうストーリーだが次男の中尉殿がイェルム家の破産を覚悟した時点で婚約者(イングリッド・バーグマン)に婚約解消を申し出る場面があった。中尉殿が理由をゴチャゴチャ行った後それを聞いていたロルムも落ち込んでいる婚約者に屁理屈を又ゴチャゴチャ言う。まともなアドバイスをくれたのが家政婦だったというのが象徴的だ。