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森鴎外 細木香以 (1917)

    幕末の江戸のお大尽で文人だった細木香以(さいきこうい)の考証だが作者である森鴎外の家の事情から説き始められるので何だか混乱する。が、よく読めば鴎外と細木香以の接点を縷々述べているのである。細木自身も俳諧を能くするが取り巻きの方に当時の文化の粋を極めた人物が多い。最後は身代を傾け没落するが没落後も畏敬の念を持って遇せられたようである。

    細木香以は芥川龍之介の大叔父だったようで孤独地獄という小品に芥川が母から聞いたというエピソードが記されている。

    森鴎外は幼少時に馬琴や京伝に親しんでいたという記述がある。羇旅漫録にも出てくるが馬琴と京伝は昵懇の仲だったようだ。京伝とは山東京伝の事である。