BSドキュメンタリー 絶滅へのギャンブル 〜アフリカ野生動物の危機 (2015)

   ケニアのルキンガ野生動物保護区の現状。象が3頭殺されている。プロの密猟団の仕業という。2014年の時点で野生の象は47万頭まで激減している。南アフリカのクルーガー国立公園の現状。白サイが殺されている。これもプロの仕事である。サイの密猟は年々増えている。レンジャーが見回るが広すぎて防止は困難である。近年ベトナム人の密猟者が増えている。ベトナムではサイの角が癌の薬として高価で取引されている。調査員はベトナムに潜入して業者と接触する。男はカタログを持ってきた。他にもパーティーでサイの角が買えるという。

レンジャーの活動の様子が出てくる。元密猟者のレンジャーが語る。象牙の価格が上がり続けているという。これにはグローバル化が関係しているという。辺境にも中国人が入り込んでいるという。密猟者が象牙を運び出すモンバサ港の現状。コンテナが調べられ送り先の半数が中国であるという。中国の広州では古くから象牙細工がさかんである。富裕層象牙細工を求めているという。バイヤーと接触する。象牙の工芸品とサイの盃を見せてくれる。象牙の取引は中国では合法であり来歴が管理されている。国が年間5トンの象牙を工場に供給している。

1989年に象牙の国際取引が全面禁止された。その時は密猟が激減したという。しかし日本や中国が象牙の在庫の特別購入許可を得て再び密猟が増えている。中国では違法な象牙が9割を占めるようになった。象牙の密輸には犯罪組織が参入している。ウガンダ神の抵抗軍ソマリアアルシャバブ象牙の取引で資金を得ている。密輸グループと政治家が癒着している事も問題である。ジャーナリストの活躍によりベトナム人レムトングタイが逮捕される。元締めのケオサバンは未だに指名手配中である。

サイの角の取引の合法化の動きがある。需要を満たせば密猟が減るのだという。だがこれには反対意見が多い。象牙の在庫の廃棄がいくつかの国で行われた。ケニアでは密猟対策の基金が設けられた。部隊を創成し村人による通報を頼む。これによって密猟は減少したという。このドキュメンタリーはこれで締め括っているが結局のところ内戦状態の所や政府が腐敗している所では打つ手がないので将来の見通しは暗いといえるのではないか。