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BSドキュメンタリー パナマ文書 〜”史上最大のリーク”追跡の記録〜(2016)

ドキュメンタリー

  富裕層の一部、犯罪組織などはタックスヘイブンに設立されたオフショア企業を持っていてそれは実体のないペーパーカンパニーである。彼らは表に出したくない金をこのオフショア企業を通して動かす事によって税金を逃れている。

  2015年6月ワシントンでICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)のメンバーによる会議が開かれ、あるプロジェクトが立ち上げられた。入手した1150万件に達する膨大な機密文書の取扱いをどうするか議論を行った。これがパナマ文書である。

  パナマ文書にはフランスの元閣僚ジェローム・カユザック、武器商人ジアド・ダキエディ、サッカーのビオネル・メッシ、チェロ奏者セルゲイ・ロルドゥギン、アイスランド首相、パキスタン首相の名が載っている。全てのケースがパナマの法律事務所モサック・フォンセカを経由しており文書はここから流出した。モサック・フォンセカは合法的な法律事務所で世界中のタックスヘイブンにオフィスを持ち、主な業務はオフショア企業の設立である。

  このドキュメンタリーではまず欧州サッカー連盟会長ミシェル・プラティニに焦点を当て取材する。彼は会長に就任した数ヶ月後オフショア企業を設立する(2007年)。この会社はパナマにある。スタッフはこの会社の住所に突撃する。そこにはモサック・フォンセカの事務所があった。登記代行の責任者が出てきて話してくれる。この会社はある銀行の依頼により設立されたと言う。次に会社の代表の住所に突撃する。そこは小さな民家で中の人はスタッフの問いかけには応じず出てこなかった。調査によりある銀行とはスイスのベアリングブラザーズストゥルザである事が分かった。これがプラティニの秘密口座である。だがそれ以上の詳しい事はわからなかった。

  フランス人スタッフが試しにオフショア企業を設立する。ネットを検索すると代行業者のフィドスイス社が見つかった。電話して申しこむと担当者とブリュッセルで会う事になった。結局38万円で米国のデラウェア州にビューティーキャッシュという会社が、ニュージーランドに銀行口座が作られた。用意した5000ユーロをその口座に入れたいと言うと代行業者があると言う。パリのホテルで代行業者と接触する。手数料は金額の6%という。スクーターで現れた男に金を渡すとすぐニュージーランドの口座に4700ユーロが振り込まれていた。入金元は香港のアクセルソリューションズリミテッドという会社からだった。 スタッフはデラウェア州を訪れビューティーキャッシュという会社があるか確かめる。住所を訪ねると登記代行のGCS社のオフィスがあった。ここから設立者までは辿れないだろうという。

  申告していないお金を預かってくれる銀行は多くある。大口顧客の口座をタックスヘイブンに設立した会社に作るという方法を取る。アブダビ首長国の高官であるカデム・アル・クバイシが巨額のリベートを受け取ったという事件がある。イギリスの女流ジャーナリスト クレア・ブラウンはこの事件を追っている。アブダビ首長国とマレーシアの間で大口投資計画が交わされた際1500億円が消えたという。彼女はエドモンドドゥロスチャイルド銀行の内部資料を入手する。そこにはカデムの口座に振り込まれた大金の明細書があった。振り込み元はオフショア企業である。カデムの投資資金は幾重ものペーパーカンパニーを通して投資されている。投資物件からカデムに行き着く事は困難になっている。クレアはCOP21に出席中のロスチャイルド男爵夫人に突撃取材する。カデムの資金について不正はないか問い質すと守秘義務から答えてはくれなかった。夫人は失礼な取材にプンプンになる。

今度はレティシア・モントヤ63歳を取材する。彼女は数千のペーパーカンパニーの管理者であるという。明け方家の前で待つと出勤する本人が出て来たが質問されてすぐ逃げて行った。彼女はモサック・フォンセカ社の従業員に過ぎない。各国のジャーナリストがモサック・フォンセカに集結する。記者は従業員を何とか呼び出そうと電話をかける。数分後カルロス・ソーサ氏が現れ声明文を配布する。インタビューには答えずやましいところはないと言って帰って行った。声明文には自分たちは登記された会社とは報酬以外何の関わりはないと記してあった。翌日社長のラモン・フォンセカがテレビに出演し政府の役職と与党党首を辞任すると発表する。