映画 ダイダロス 希望の大地 (2012)

  18世紀初頭満人トゥリシェンの一行が旅をしている頃、強大なジュンガルオイラート)は清と戦争状態にあり西方ではカザフ族を圧迫していた。この映画はジュンガルに家族を殺されたカザフ族の青年が立ち上がりカザフを攻めてきたジュンガルを撃ち破るという話である。

  広大なカザフステップの遠景に山脈が見える。羊や馬を飼い暮らすカザフの人々。彼らは遊牧民でありイスラム教徒である。そこへモンゴル系でラマ教徒のジュンガルが村を襲い主人公サルタイの家族が殺される。族長はサルタイと孤児を連れて山間部に逃げそこで生活する。成長したサルタイと孤児達は族長の言い付けを破って草原を走り回りジュンガルを見つけては殺していた。遂にはジュンガルの砦を急襲しジュンガルとの対立が決定的になる。

  その頃のジュンガルは帝国化しておりツェワン・ラブタンの子のガルダンツェリンが後を継いでいた。カザフ攻略を任されたアマルタイは大軍を率いてやって来るがカザフ側もアブールハイル・ハンの元に集結し1972年遂に戦闘が始まる。死闘を繰り広げる中サルタイの部隊が敵の本陣を急襲しアマルタイを倒す。これによりサルタイは戦死するがジュンガル側も撤退して行った。

  とまあこのような史実に基づいた建国物語のようだが、隣り村の族長の娘ゼレとサルタイの恋愛、親友タイマスの裏切り、コルランとの三角関係を盛り込んだ娯楽作品の要素も多分にある映画である。