映画 モホークの太鼓 (1939)

  英国領13州のうちの一つニューヨーク州の辺境に新婚のギルとラナが入植し新生活を始める。世は独立戦争の最中でモホーク族と組んだ王党派が愛国派の村に襲撃を仕掛けてくる。襲撃により家を焼かれたギルとラナだが未亡人の家で使用人として働く事になる。このときラナは身ごもっていた子を流産で失う。

  やがて二人の間に男の子が生まれるが戦闘により将軍が死にギルも負傷する。ついに敵の大軍が砦を包囲し砦は陥落間近となる。方策が尽きギルが救援を頼みに脱出することになる。朝焼けの原野を駆け抜けるギル。三人のモホーク族が追う。川を渡り森を抜け追手を引き離して行くギル。モホーク族より俊足である事が強調される。だが本当はモホーク族の方が足は速いのではないのだろうか。

  翌日砦が破られる寸前に味方の軍が到着する。危機一髪助かったが指揮を執った牧師は放心状態で負傷者もたくさん出た。落ち着きを取り戻し復旧作業をするギルたち。そこへ愛国派軍がやってきて新しい国旗を揚げる。終戦だと言う。ジョージワシントン率いる反乱軍が英国に勝利したのだ。

  この映画はジャーマン・フラット砦における攻防戦の実話かも知れないが、二幕物のイタリアオペラのような音楽が付いた娯楽作品になっている。映画がオペラの代替品だった時代の雰囲気がまだ残っている。