映画 さらば夏の光 (1968)

  一柳慧のオリジナル曲が来てリスボンの豪壮な教会の映像が出て男の独白が始まる。そして主眼は勿論岡田茉莉子の美貌である。独白は理屈っぽく岡田茉莉子の独白も朗読のようだし果たして芸術になりえているのか疑問符が付く。一柳のストラビンスキー風の曲が芸術っぽい。

  市中での会話、砂浜での会話、テラスでの会話と続く。饒舌ではあるがアンニュイな会話である。二人はマドリッド、パリと場所を変え景色を楽しむ。私は人妻あなたとは仲がどうのこうのと続くが結局ノルマンディーに行きモンサンミッシェルを見る。男が女を抱擁するが私は言うなればモンサンミッシェルですわと言って別れる。で今度はストックホルムで再会する。男が又迫るが女はつれない素振りを見せスリップの姿でホテルまで帰った。そこで一夜を共にする。

  女は去って行ったがデンマークで又遭遇する。いよいよアムステルダムで女は夫のロバートと離婚の話をする。ロバートは了承するが女は一人でローマに行く。男は又追いかけて行きローマの遺跡の前で話し合う。最後に男が探し求めているというカテードラルの場所を女が知っているという。だがそれを聞くや男はパリへ帰って行った。最後はどっちがどっちを振ったのかわからない。

  1967年の映画「いつも二人で」よりも豪華な旅だがあちらはほぼ現実なのに対しこちらは精一杯背伸びをしてみました感があるようだ。