映画 パキスタンゾンビ (2006)

  経済が発展しつつあるパキスタンイスラマバードでは高速道路の整備が進み公害問題が生じている。水質汚染や伝染病の発生に対し住民らが抗議行動を起こす。一見社会派風のつかみであるがこの映画の中身はホラーである。


  イスラマバード郊外のジャンナップ・ブルでは車が残された行方不明事件が頻発しており地元住民の間で地上の地獄と呼ばれている。富裕層の青少年がライブを聴きにマツダのミニバンで繰り出す。トヨタのエンブレムが付けてあるのはパキスタンらしい。彼らは途中の怪しいチャイの店で大麻入りの団子を買い、その後近道をしようとしてジャンナップ・ブルに迷い込むのである。

  まずゾンビに囲まれ何とか逃げるが車がガス欠になる。その後は徘徊している殺人鬼に一人づつやられてゆくという展開だが最後は女の子が生き残りブルカを着た殺人鬼を返り討ちにする。ここまでには安部公房を思わせるようなシュールな場面もある。アメリカから来た大学生は団子を食べてゾンビになっていた。この辺は何かの隠喩かもしれない。だがこの映画は深く考える必要はないだろう。