東洋文庫 班固 漢書郊祀志 (1世紀)

  漢書郊祀志は史記の封禅書を継いだものである。封禅とは中国の皇帝が泰山で天を祀り、麓で地を祀る事を言う。要するに天命を受けたというデモンストレーションであるが徐々に封禅は行われなくなり郊祀が行われるようになった。 郊祀とは夏至に地を祀り冬至に天を祀る儀式の事を言う。本書は祭祀の歴史を伝説の皇帝の時代から説いてゆく。始めの方は書経に依拠し、夏・殷の時代以降は史記に依っている。王莽まで著述して終える。


   秦の始皇帝の段では始皇帝儒者を退けるようになる経緯と蓬莱山にあるという不老不死の霊薬を求めさせる事が出てくる。始皇帝焚書坑儒を行った事、厳しい政治を行った事などから諸侯に憎まれ早く滅亡したと書かれている。

   漢の高祖の段では当然の事ながら悪く書かれていない。伝説に彩られた様に書かれており第三代皇帝の文帝の所も同様である。武帝の時代では国はよく治り儒家を招聘して用いたと言う。だが黄河が決壊したりするし南越に遠征して滅ぼしたりしている。しつこく蓬莱山の霊薬を求めさせる。いよいよ武帝は泰山で封禅を行い巡幸を開始する。巡幸中に日照りがあったという。

  武帝は朝鮮を征伐したのち二度目の封禅を行う。暦を改正し太初元年とする。西方の大宛国を征伐するがいなごが大発生する。

   哀帝が崩御した後平帝が即位する。最高司令官の王莽が色々と変わった事を始めた。その後帝位を奪ったのである。