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東洋文庫 南条文雄 懐旧録 サンスクリット事始め (1927)

  大垣の誓運寺の三男として生まれた著者は京都の東本願寺高倉学寮で学び南條家の養子になる。現如上人の意向で著者と笠原研寿にサンスクリット語を習得させることになり二人は渡欧する。二人はオックスフォード大学のマックス・ミューラー博士の元で梵語仏典の筆写、校訂、英訳などの仕事を精力的にこなすが笠原君の方は病を得て先に帰国する。八年間の研究を終え帰国した著者は東京に新しく開校した大谷教校の教授となり東京帝大の梵語学講師も嘱託される。その後は研究と学事をこなし大谷大学学長を務め1927年に没した。

  この本は著者最晩年の口述によるもので別に自叙伝がある。権力を求めず人間味のある人柄が偲ばれるような文章である。また当時の本願寺の動向が書かれており、セイロン、支那、シャムへの洋行の話もある。