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東洋文庫 列子 (B.C.400頃)

  春秋戦国時代の列御寇の著とされるが定かではない。荘子老子と並ぶ重要な道家思想の文献でありよく知られている故事成語の出典でもある。朝三暮四、杞憂、男尊女卑などがそうである。読んで行くと孔子と弟子達の会話が出てきたり荘子の内容も出てくる。まとまりが良いので道教のテキストとして後世の人が編纂した物という印象がある。


  落ち穂を拾う林類の楽しみ

  もうすぐ百歳の林類が変な格好をして落ち穂を拾いながら歌を歌っていると孔子の弟子である子貢が問いかけた。「栄達もせず妻子も無く今の見すぼらしい状況をご老人は後悔なさらないのですか。」老人答えて曰く「若い時にはせっせと身の行いを勤めず、成人してからは世間と張り合うことをしなかったからこのように長生きできた。妻子もなく死期も近いから楽しくやれるのだ。」

  子貢の報告を聞いた孔子はわしの睨んだ通り老人はともに語るに足る人物だが今ひとつであると言う。孔子達はせっせと勉学に励み栄達を求める集団である。だが林類の事を激しく非難する訳でもない。この書は結構矛盾に満ちている。