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映画 ビッグリバー (2005)

映画

  冒頭にナショナルジオグラフィックに出てくるような荒野の雄大な映像が出てくるがこれはイマイチである。ポンチョを着た若い男(オダギリジョー)が歩いて国境を越える。主人公のテッペイである。アリゾナの荒野を彼は進んで行くがレンタカーに乗ったパキスタン人のアリが立ち往生している。テッペイが車を直してやるが今度はガス欠になり結局ヒッピーの白人女サラの車で旅をすることになる。目的地はアリの元妻がいるフェニックスである。 


  すでにロードムービーだがこの旅の必然性が希薄なのと登場人物に世界観を述べさせているのはいただけない。アリら三人は元妻の居場所を突き止めるが元妻は復縁を拒否した。三人は旅を続けるが西部のゴーストタウンに来るとそこはテーマパークになっていてガンマンショーや映画の上映が行われていた。この辺のみ絵面が幻想的になっている。

  深夜のドライブで地元警察の検問に逢う。それほど意地の悪いものでは無かったがアリがだんだん興奮してくる。アメリカ人は傲慢だと言いテッペイを置いて車を走らせた。気の強いサラはアリを追い出してテッペイを探すが闇に紛れて見つからない。やがて夜が明け駄目男のアリが映し出される。浮浪者然としたアリに石つぶてが飛んでくる。誰かと思ったらサラとテッペイだった。三人は平和に旅を続ける。

  バスターミナルでお別れをしてアリは帰って行った。出来ているサラとテッペイは新婚旅行のような旅を続けるのか。やはりそうではなくテッペイは一人旅を続けるべくサラと別れる。しかしその直後テッペイは背負った荷物を投げ捨てサラの車を追いかける。どうなるかは映し出されず雄大な風景だけが映し出されて終わる。

  テーマはパキスタン人夫婦の揉め事、サラの女心、アメリカ国内のテロ対策、バックパッカーの享受する自由などであるがこの作品ではどれも通り一遍の浅さが透けて見えており秀作とは言い難い。これらのどの一つを取っても突き詰めて行くと深刻な事態を招くのが現実なのだから。