映画 ガス燈 (1944)

  有名人気歌手アリス・アルキストがロンドンの自宅で死体で発見される。ロンドン警視庁の捜査では犯人を特定できず迷宮入りする。同居していた姪のポーラはイタリアで声楽の先生について歌手を目指す事になる。事件から10年経ち大人になったポーラは歌手になる情熱を失い伴奏者の男と出来てしまい結婚する事になる。夫の希望でかつてアリスが住んでいたロンドンのソーントン広場にある邸宅で新婚生活を送る事になる。この夫グレゴリーこそがあの殺人事件の犯人であり奪い損ねた特大のダイアモンドを見つけるためにここに来たのである。

  何も知らないポーラは夫のモラハラを受けだんだん精神を病んでくる。グレゴリーの狙いはポーラを精神病院送りにして、心おきなくダイアモンドのありかをさぐる事なのだ。このままだとポーラは当事者として最弱なのだがキャメロン警部という第三者の助け舟が入る。アリスと縁のあったキャメロンはこの事件に関心がありポーラが戻った事を知り捜査を開始する。巡査のウィリアムスの協力を得てグレゴリーの行動を調べると、毎夜家を出るグレゴリーは隣の空き家に入り、そこから屋根に出て自宅の屋根裏部屋に入っている事が判明する。
  ある夜キャメロンがポーラの家を訪ねるとポーラは毎夜の異常な現象の事を話す。その頃屋根裏部屋ではグレゴリーがダイアモンドを見つけ出し封印された扉を開け二階に降りてくる。机がこじ開けられているのに気づいたグレゴリーはポーラを呼び詰問する。ポーラの返答の矛盾点を衝きポーラをいよいよ病院送りにするつもりらしい。そこへ戻ってきたキャメロン警部がグレゴリーに向かってセルジウスという彼の本名と狙っている宝石の事を問い詰める。観念したグレゴリーは拳銃を出してキャメロンと格闘になるがウィリアムス巡査も駆けつけてついにグレゴリーをお縄にするのである。

  これはちょっと無理ではという点も幾つかあるが古典的な映画はなんだか心が和む。