映画 真昼の死闘 (1970)

  クリント・イーストウッドの映画は大人の夢とペーソスの混合という風に規定されるがこの作品はペーソスの部分が少ない。舞台はフランス占領下のメキシコで、革命軍がフランス軍に抵抗している状況である。主人公は淫売婦のサラ(シャーリー・マクレーン)で尼僧の格好をしてロバに乗り旅をしている。サラが三人のならず者に犯されそうになった所にガンマンのホーガン(クリント・イーストウッド)が現れて三人を始末する。ここから二人の旅が始まる。目的地は革命軍の拠点である。 

  途中でフランス軍による追跡をかわしたり列車を爆破して金品を奪うというスリリングな場面がある。サラは尼僧に扮しているが時々淫売婦の地が出てしまうというコメディの要素もある。革命軍の拠点にたどり着いたホーガンは革命軍の大佐と合流し100人ほどの民兵でフランス軍駐屯地を襲撃する。ダイナマイトを駆使し撹乱しながら白兵戦にもつれ込むが革命軍側が勝利を得る。ホーガンは財宝の入った行李を持ってサラの待つ売春宿へ向いハッピーエンドとなる。

  ハリウッド映画らしくメキシコ革命を美化し、フランスをコケにしているのはいつものことである。先住民との衝突もあるが控えめな表現にとどめている。ガチで衝突する映画というのも殆んど無いわけだが。