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映画 バクダッドカフェ (1987)

  カリフォルニアの砂漠にあるここバクダッドカフェはおしゃれなカフェでは無く廃業寸前のモーテル兼レストランといったところである。モーテルの一室には女性刺青師が部屋を借りて開業しておりキャンピングカーに住んでいる老人もいる。店主のブレンダは攻撃的な性格の人物で音楽好きな息子をガミガミと叱り、ぶらぶらしている夫を罵る。映画の冒頭で夫は車で家出をしてしまった。

  さてここにやって来たのはどうみても場違いのドイツ人の太ったおばさんで名前をジャスミンというが宿泊を申し込みカフェでコーヒーを所望する。あいにくコーヒーメーカーは壊れており従業員が砂漠で拾ってきたポットのコーヒーを出してみたところ口にあったようだ。何の事はないこのポットはジャスミンが砂漠に置いてきたものなのである。   

  このようなシュールな状況が一変するのはこのむすっとしたジャスミンが長逗留するうちにカフェを手伝うようになってからである。最初はブレンダとジャスミンは対立していたがある日ブレンダが折れて仲直りする。ジャスミンがたまたま手荷物にあった手品セットを練習してマジックと音楽のショーを始めたところバクダッドカフェは大盛況となりブレンダもミュージカルスター並みの歌声を披露する。なにもかも上手く回転していった日々にも終わりが来る。観光ビザで入国していたジャスミンが移民局に呼び出され強制退去となったのである。

  骨組みとしてはこのような話だが何か騙された様な気がする。いきなりやって来たジャスミンがブレンダを感化して立ち直らせたというストーリーだがこのような救いの神は現実にはやって来ない。ブレンダ自らが誠実さを学び改心する他にはこのようなカフェの生き残る道はないのである。