BSドキュメンタリー We want our country back 大英帝国を取り戻せ! (2015)

  2015年5月極右政党ブリテンファーストはイギリス中部の町ダドリーでモスク建設に反対する抗議行動を起こす。デモ行進を行い副党首のジェイダ・フランセンが演説する。それらを動画に撮りSNSに投稿する。今回BBCが4ヶ月間密着取材する。

  ブリテンファーストは6月27日にイスラム教徒の町ルートンでデモを計画する。党首のポール・ゴールディングが車でルートンの街を行く。道端で十字架と横断幕を見せて又車で行くとイスラム教徒の住人と口論になる。口論の様子はSNSにアップされた。ジェイダもポールもイスラム教徒に命を狙われていると言う。

  住民の申し出を受けた警察は二人を事情聴取した後デモを阻止しようと裁判所に集会差し止めを申し立てる。イスラム教徒の若者デウードはブリテンファーストを批判する。デウードは地元の若者が過激主義に染まらない活動をしていると言う。ブリテンファーストの動画が拡散する事に危機感を抱いているようだ。一方BBCはジェイダの事を過激主義に染まった白人だと見ている。

  ブリテンファーストはハラル撲滅運動も展開する。ハラル製品には2.5%のザカートがかけられていてその一部はテロ活動に流れているとポールは主張する。ハラル製品の肉はアラーの神に捧げられたものであるとジェイダは主張する。これにはBBCも批判的だ。

寄付を募り弁護士を雇う事が出来た二人は差し止め命令を何とか回避する事ができたがルートンでのデモは低調なものだった。警察も心得たものでデモ隊に工業団地内を行進させた。

  プライベートも取材する。二人は夜に人目を忍んでビリヤード場で遊ぶ。ポールはイスラム教徒の人口増加と将来起こるであろう内戦の勃発について語る。

  ロザラムを訪れる。ここにはイスラム教徒のコミュニティがあり1997年から2013年の間に1400人の子供がパキスタン系の住民に性的虐待を受けたという事件があったところである。9月5日にデモを計画していると言う。町はすべてのタクシーに監視カメラ搭載を義務付け条例を制定したが拒否する運転手も一部にいる。ジェイダと運転手が口論する。その後ジェイダからBBCに取材拒否のメールが届いた。
  BBCの取材班がロザラムのデモの日に現場を訪れるとポールは迷惑そうな顔をし警備員がやって来て取材班を追い払う。怒ったBBC取材班はデモの低調さを皮肉りブリテンファーストも他の極右政党と変わらないと締めくくった。

  まあこれは意図的なものを感じるドキュメンタリーだったが、ダドリーでのジェイダの演説で”Every single mosque build in this country will affect evrery single one of us!”と言ってたのが印象に残る。