映画 モーターサイクル・ダイアリー (2004)

  23歳の若きエルネスト・ゲバラが友人のアルベルトとアルゼンチンからベネズエラまでバイクで大陸縦断するという実話を基にした本格的ロードムービーである。エルネストはブエノスアイレス大学医学部の学生でこの旅行のため休学し家族に見送られ1952年1月14日の朝、一台の500ccのバイクに荷物を積んで出発する。バイクには二人で乗り運転は時々交代する。雪の積もったアンデス越えで苦労し、チリの鉱山労働の実態を見学し、マチュピチュでは歴史を考察する。バイクは3000kmくらい走って壊れてしまった。以降はヒッチハイクで先へ進む。

  6月8日ペルーのサン・パブロに到着する。ここにはハンセン病の療養所があり二人はボランティアとして仕事に従事する。この施設は修道女たちが世話をする隔離された患者エリアと研究所のあるエリアに分かれておりアマゾン河で隔てられている。二人は患者たちやスタッフと交流し、いよいよ筏でベネズエラに入る。首都カラカスで就職するアルベルトを残しエルネストは飛行機でブエノスアイレスに戻った。1952年7月26日の事である。この後大学を卒業したエルネストは進む道を変え革命家として世に出て行くのである。この旅が影響したとのだという。

  エンドロールでは本物の二人の写真と当時の新聞記事、超高齢となったアルベルトの姿が映し出される。一方ゲバラはというとボリビアで逮捕されたのちCIAの工作により射殺されたとエンドロールに書かれている。ストーリー自体は中立の立場で淡々と進んで行くがゲバラについては弱者に共感する聡明な人格者として描かれておりやはり心持ち美化されているのでは無いだろうか。