映画 オデッサファイル (1974)

  ケネディ大統領が死去した夜、ハンブルグ在住のフリーランスジャーナリスト、ピーターが救急車を目撃する。病院まで追いかけたが単なる老人の自殺だった。居合わせた刑事に後日老人の日記を読んでみろと渡される。老人はユダヤ人で日記にはリガの収容所での出来事が書かれていた。その一節に所長のロシュマンの命令を無視した大尉がロシュマンに射殺される話がある。ピーターにはその大尉が戦死した父と同一人物に思えるのである。

  ユダヤ人の間ではロシュマンは生きていると噂されていた。ドイツ当局も建前上はナチ戦犯を追ってはいるが本気ではないようだ。またオデッサという秘密組織がありナチ戦犯の逃亡を手助けしているという。手がかりを追ううちにピーターは命を狙われるようになる。だがイスラエルのスパイ組織も暗躍中であり怪しい動きをしているピーターを拉致するが意図を聞き信用して協力関係になる。

  ピーターは病死したコルプという男に成りすましオデッサに接触する。その後はスパイ映画のような展開になるが僥倖を得てオデッサの構成員が書かれたファイル獲得とロシュマンへの復讐をともに成し遂げるのである。途中スナイパーとの格闘もある。

  お陰でエジプトによるイスラエルへのロケット攻撃も未然に防ぐことが出来た。ここまで来るとどこまでが事実なのかはさっぱりわからない。イギリス映画らしくバカなドイツ人を強調するようなシーンが時折出て来る。ヨーロッパの闇と毒が満載の映画である。