ドラマ いとの森の家 (2016)

  小学校4年の少女加奈子が糸島の村の小学校に転校して来る。転校早々カエルの死骸に驚く加奈子、それを見て面白がる男の子という定番の展開である。咲子という親友もできる。自然が豊かでオケラを掘り出して遊んだり咲子と森や海で遊ぶ。書道教室の先生から読書の楽しさを学んだ加奈子は将来物書きになりたいと考える。

  ある日加奈子と咲子が森の奥に入って行くとおしゃれな一軒家があり老女が中へ招いてくれた。おハルさんである。おハルさんは二人に手作りの可愛いグッズをくれたりして手懐ける。だがときどき怖い発言をして加奈子を怯えさせたりする。おハルさんは実在の人物で死刑囚の慰問を定期的に行っている。地元の人からは冷ややかに見られている。

  おハルさんは米国の日本人収容所に入れられていた頃の昔話を始める。おハルさんの言動が元で自殺者が出たと言う。その時の罪滅ぼしに慰問をしているのだと言う。おハルさんは死刑囚のお骨を持ってバス停に立っている。狂気が感じられる光景である。

  加奈子は成長して東京で平凡な主婦になっている。地元でカフェを開業している咲子に呼ばれて里帰りする。同窓会に出席した後昔を思い出して遊ぶ二人。咲子は癌に侵されており余命わずかであると告白する。

  というNHK福岡放送局制作の地方発のドラマである。永作博美樹木希林を起用した意欲作だが話題の掘り下げが浅いように感じた。またオシャレな演出がテーマと合っていないように思えた。