映画 エンバー 失われた光の物語 (2008)

  火山の破局噴火か大隕石の衝突か理由はわからないが近未来において地球から太陽の光が失われた。生物の死滅が不可避という状況で科学者たちが地底都市エンバーを建設し数百年後に地上に戻るプログラムを策定する。一定の人数が生き延びる事が可能となる条件として無限のエネルギーを産む発電機と地下を流れる清流が設定されている。だがそれらには耐用年数があり科学者たちは200年と設定した。200年後に自動的に開く箱に地下からの脱出装置を起動するカードキーを入れておいたのである。

  エンバーの市民は市長の元で18世紀のロンドンのような生活を送っていた。いよいよ200年目に突入すると停電が頻発するようになり修理もままならない状況となる。箱はというとメイフリート市長の時に継承されず家の納戸に置かれたままになっていた。主人公のリーナはメイフリート市長の孫でメッセンジャーとして働いている。もう一人の主人公のドゥーンはリーナの友人で配管工として働いているが老朽化した発電機を修理したいという願望を持っている。ある日箱の存在に気づいたリーナはドゥーンとともに箱に書かれているメッセージを解読し二人して脱出を試みるのである。うまくいけばアダムとイブという事になる。

  たまたま市長の不祥事を知ったリーナとドゥーンは官憲に追われる身となりドゥーンの父の作ったジュール・ベルヌ風の地底用バイクに乗って制御塔のような所へたどり着く。市長は二人を始末しようとするが逆に地底怪獣にやられてしまう。何とか脱出に成功した二人が地上に出てみるとそこは地底と同じ闇の世界だった。だが数時間後夜明けとともに太陽が顔を表すのである。科学者たちの目論見はどうやら成功だったようだ。

  無限のエネルギーを産む発電機という部分がSFだが後は本当に起こりそうな事で構成されている。シェイクスピアのような仕掛けもちょっぴりだが盛り込んである。ファンタジー部分の多いハリーポッターと比べこちらは大人向けの作品になっている。