映画 汚れなき悪戯 (1955)

  ある村に三人の修道僧がやってきて修道院を建てたいと談判する。村長は廃墟となっている丘の上の貴族の屋敷を彼らに委ねる。修復は成り修道士は12人に増えていた。ある日の事、修道院の門の前に赤子が捨てられていた。皆で相談した結果修道院で育てることになる。調査したところ赤子の両親は既に死んでいた。

  男の子はマルセリーノと名付けられ洗礼を受ける。マルセリーノは母の愛を知らずに大きくなって行く。修道院の外で一人で遊ぶようになったマルセリーノはだんだん悪戯をするようになる。歩いていた村長に泥団子を投げたり連れて行ってもらった村祭りで混乱を巻き起こす。その結果村長の怒りを買ってしまい修道僧達は一ヶ月後に修道院を引き渡し出て行くことになった。
  何も知らないマルセリーノは屋根裏部屋に忍び込んで遊ぶようになる。そこには巨大なキリスト像が置いてあった。マルセリーノは像が生きていると思い込みパンとぶどう酒をくすねて毎日持って行くようになる。すると像は喋り出しパンを食べるのだった。パンとワインが少しずつ無くなることに気づいた台所係は院長に報告する。院長の命でマルセリーノの行動を陰から見る台所係。するとそこでは奇跡が行われていた。キリスト像がマルセリーノに何でも望みを叶えようと言うとマルセリーノは天国にいる聖母マリアと自分の母に会いたいと言った。キリスト像は其れにはお前が死ぬ必要があると言いマルセリーノは死んでしまったのである。

  この奇跡が伝わると村人が修道院に押し寄せるようになり村長は年に一度奇跡を祝うお祭りを開くことを決める。こうして修道院は村に残ることとなった。昔のイタリアの言い伝えである。

  劇中で歌われるマルセリーノの歌は有名で、僕が中学の時音楽の時間にプリントで配られ歌わされた。音楽の先生は曲中に上手にEmが使われている事に言及していた。