前略おふくろ様 II 第7回 (1976)

  冒頭の寸劇は秀さんとサブが頭領の家に駆けつけるところから始まる。鳶の連中が駆け回っている。頭領は急に苦しみ出し3時29分に亡くなったという。心臓らしい。かすみちゃんが枕元に座って居た。こちらを振り向く。

  サブはかすみちゃんの家でアルバムから写真を出したり下足番をしたりする。アルバムを見るとかすみちゃんと自分が写っている。サブは各所を回るが段々と手持ち無沙汰になる。婚約者が動き回っている。かすみかすみと呼び捨てて居たのがサブにはこたえたのである。半妻にもこたえたようだ。

  店を早仕舞いしお通夜に行こうとすると海ちゃんから電話がある。赤ちょうちんに行って見ると伯父さんと海ちゃんが居た。伯父さんはお酒を飲みながら説教を始める。酒が入っているのか理不尽なことを言う。お前はかすみちゃんを逃すと次が見つかるような面かと言う。

  読経が始まっている。親族の席にはかすみちゃんと婚約者が座っている。その他の席にはお嬢さん、利夫、秀さん、分田上の若女将がいた。サブは受付に居た。

  若女将と秀さんが喫茶店で話す。若女将はサブとかすみちゃんが別れた事を知らなかったらしい。秀さんがまだ一人でいるかどうか聞く。自分も子供が作りたかったと云う。おもむろに煙草を吸い始める。この間合いは秀さんに作ってもらいたいという意味だろう。私離婚したのと云う。

  いろいろショックだったサブは半妻と酒を飲んでいる。頭領が夢に出たと打ち明けると半妻は半信半疑で、なめるなよと言う。かすみちゃんを奪え、サンライズサンセットと言われたと云うと半妻は目を丸くする。それは頭領が気に入って居た言葉だと言う。頭領の霊が居るのかロウソクが消えたり遺影が動いたりする。

  早朝電報が届く。サブが受け取るとかすみちゃんが現れお茶を入れると言う。届いたのはサブの母からの電報だった。かすみちゃんも頭領の夢を見たと云う。頭領は亡くなった母の名を呼んでいたと云う。サブは心底悲しんで居る。深川の何時もの朝の情景が映し出される。

  出棺が始まる。棺が霊柩車に移されかすみちゃんが位牌を持って歩く。その夜サブはアパートに帰り山形の母に手紙を書く。蔵王ではそろそろ初雪が降る頃である。