前略おふくろ様 II 第9回 (1976)

海ちゃんが川波で働きだしてからお皿が7枚割れたという。年末になりサブにもボーナスが出る。サブは母に手紙を書きボーナスから三万円送金する。

同伴喫茶に行ってからユミから電話が来るようになる。サブが居留守を使うのでユミは遊びに来て川波の電話からサブにかけて来る。このラブコールにサブは返答に窮するがロッキード事件小佐野賢治のような答弁で切り抜けた。その後東京に出て来た兄から会おうと電話がある。

その夜赤提灯で兄が待っていた。母の事で話があるという。しばらく母を預かってくれないかと言う。母が兄弟間でたらい回しになっている事を知ったサブは気色ばむ。兄達の事をなじり俺が引き取るよという。おしゃべりの利夫が現れて雰囲気が悪くなったところで兄が帰る。サブが追いかけて兄さん達は人間のクズだと言う。兄はサブをぶん殴る。その後サブはコテンパンにやられた。兄はこの半年の出来事を話し出す。母は大学病院に入院し兄弟達が付き添っていたのだと言う。検査では特に悪くなかったらしい。

雨の中サブが番傘をさして夜道を帰って行く。その日からサブの頭は母のことでいっぱいになる。半妻がシューベルトで待っていると言う。行ってみると痔が悪化しているようだ。テレビの真空管を抜いていたのもバレたようだ。利夫の言う通り姑を引き取って四苦八苦しているらしい。母を引き取る話をすると半妻は優しく諭すような口ぶりになった。

秀さんに相談するとお金のことはなんとかしてくれると言う。かすみちゃんが店を辞める事になり今夜シューベルトで待っていると言う。だがサブはすっぽかした。形式通りにきっちりやりたい女性、実質本位で面倒から逃避したい男性の性質がここには現れている。かすみちゃんは翌朝旅立って行った。

サブはアパートに帰って半妻に言われた通り人手が足りないから東京に来てくれないかとやさしく母に手紙を書く。ところが数日経って母の紹介で山形から仲居さんがやって来た。シュールな笑いがこみ上げて来る場面である。