前略おふくろ様 II 第10回 (1976)

あれから母親のことが頭から離れないサブである。川波の何時もの慌ただしい板場の風景。その夜トラブルが持ち上がる。ヤクザの高級車が店の前に止まっている。客に呼ばれて秀次が座敷に顔を出すと昔の仲間が久しぶりと言う。半分足を洗ったと言うがヤクザである。サブの件で脅して帰って行った。いや冗談だよと言うが因縁をつけて店から金を巻き上げる魂胆かもしれない。客が予約して行った20日は手違いでダブルブッキングとなった。

サブが女将に呼ばれて行くと浮気相手に電話をかけさせられる。証券会社の片島ですと言い相手の男を電話口に呼ぶ。母から手紙が届く。地元の未亡人の女性を急遽紹介するとある。早くも訪ねて来てサブと面会する。店に話してないサブはとんでもない板挟みになった。秀次に相談し間に入ってもらう。女将さんは突如上機嫌になり雇ってくれる事になった。秀次が女将さんの顔を立ててヤクザの方をキャンセルしたのである。その代わりサブは向こう板に降格となる。とばっちりで政吉も修の下になる。元はと言えば女将さんの勘違いが生んだトラブルである。

問題の20日は板場が荒れる。修に政吉が歯向い、ヤクザが秀次に因縁をつけにやって来て、女将が押さえておいた萩の間の客は来ず空注文となった。