吉田秀和 名曲のたのしみ 2012年1月28日放送分

今日は試聴室の番ですからアレクサンダー・スクリャービンの音楽を聴きましょう。スクリャービンラフマニノフとは音楽学校の同窓生です。彼は19世紀末から20世紀前半のロシアが生んだ桁外れに特異な才能の持ち主でした。20才の時音楽学校を卒業したんですがそれはちょうど2歳年下のラフマニノフの卒業の年でもありました。スクリャービンは音楽家として出発した当時はショパンの影響を強く受けてました。けど次第に世紀末の神秘主義思想に傾くようになって独創的な和製理論に基づく独特の作風を樹立して行ったそういう人です。今日はそのスクリャービンのピアノ作品からいくつか聴いて見たいんですがまずピアノ協奏曲嬰へ短調アナトール・ウゴルスキーのピアノソロ、オーケストラはシカゴシンフォニー、指揮はピエール・ブーレーズこういった顔触れで全曲続けて聴きましょう。〜音楽〜

なんとなくラフマニノフ風だが第二楽章はおとぎ話に出てくるような優しいオーケストラと美しいピアノの旋律が聴ける。

今聴いたのは云々。スクリャービンはピアノのための作品に打ち込んでいたんですけどもピアノソナタの比重が大きくて全部で10曲にのぼります。今日はその中から第7番作品64のピアノソナタを聴きましょう。それじゃスヴャトスラフ・リヒテルのピアノソロで全曲続けて聴きましょう。〜音楽〜

色彩的だが無調に近い和声。メシアンに近いがロシア的な暗さがある。

今聴いた曲は云々。リヒテルのピアノソロでした。今度はピアノソナタ第9番作品68。前の曲が白ミサと呼ばれているのに対しこの曲は黒ミサとあだ名されています。神秘的に、呟くように指示されている和音の連打による第一主題と抒情的な第2主題とが対比的に提出されるソナタ形式だけの単一楽章です。今日聴くのはマルカンドレ・アムランのピアノソロです。〜音楽〜

最初は全然暗くなくラベルっぽい。リストのVIA CRUSISのフレーズが少し引用されている。進むにつれだんだん熱中した感じになる。

今聴いたのは云々。まだ時間があるので作品57の二つの小品聴きましょう。これは名作だと思う。ブラジル出身のピアニストのジャン・ルイ・ストイアマンのピアノソロで聴きましょう。〜音楽〜

今聴いたのは云々。今日はその前に云々を聴きました。それじゃさよなら。