映画 シンプル・プラン (1998)

ハンクは大学を卒業後、故郷の雪深い田舎町に仕事を得て美人の妻と暮らす毎日であった。両親は他界しており失業中の兄が近くで暮らしていた。ある日の事ハンクは兄と兄の友人と車で出かけ帰る途中事故を起こす。鶏を咥えた狐が原因だった。怒った兄たちは銃を持って狐を追いかける。林の中で見たものは墜落して雪に埋もれている小型機と中に積んであった現金440万ドルである。三人は意見が分かれたが冷静なサムは自分がこのお金を管理し事件の推移を見て山分けする事を提案する。その際には町を出て新しい場所でひっそりと暮らすのである。他の二人も渋々同意する。

向こうの人々は基本的には一攫千金してアーリーリタイアするのを理想と考えている節があるのでこういうチャンスを捨てる訳には行かないのだ。驚いたのはハンクの妻サラもこの企てに喜んで協力しようとした事だ。昔の新聞記事を探し出し誘拐事件の身代金である事を突き止めたのはサラであるし、調査にやって来たFBI捜査官が犯人の片割れだと見抜いたのも彼女である。バレたら終わりなので三人は現場に近づいた一人の住民を殺害し事故に見せかける工作をする。仲間割れも生じてくる。兄はこのお金で人手に渡った実家と農場を買い戻したいと言い、兄の友人もお金の無心にハンクの元へやってくる。兄の友人がハンクに銃を向け今にも引き金を引こうとする瞬間兄のショットガンが友人を倒す。友人妻も犠牲になる。このトラブルもハンクらは夫婦喧嘩としてうまく隠蔽した。

いよいよクライマックスが訪れる。成り済ましのFBI捜査官がやって来て飛行機の墜落場所を調べるという。場所の案内に保安官のカール、ハンク、兄が同行する事になる。ここでもまずカールが死に、犯人をハンクが射殺、兄も死んでしまう。絶望と悲観に苛まれたハンクは妻が止めるのも聞かずにお札を全部暖炉で燃やしてしまった。ここはマネロンして移住するのがまだ正解だったかもしれない。