吉田秀和 名曲のたのしみ 2012年3月10日放送分

今日はラフマニノフの連続放送の17回目に当たります。ピアノ曲を聴くことになります。ラフマニノフは4曲のピアノコンチェルトを始め大作が代表的なものですけどしかしそれだけじゃなくて1分、2分、せいぜい4、5分くらいまでの小品もたくさん書きました。その中でプレリュード(前奏曲ですね)と題されたものが2組あって合計で24曲、それから練習曲、音の絵と題されたものがそれぞれ9曲づつの2組があります。私たちは前に作品23の前奏曲を聴いたんで今日は残りの前奏曲作品32に収められた13曲を聴きましょう。前と同じ様にアシュケナージリヒテルとこの二人の名ピアニストの演奏を聴きたいと思います。これは1910年の8月から9月にかけて作曲されたと言われています。第1曲、第2曲をリヒテルの演奏で聴きましょう。〜音楽〜

前奏曲作品32、今度は第3曲、第4曲、第5曲これはアシュケナージのピアノソロで聴きましょう。〜音楽〜

今のお祭り気分の陽気なの、それから速い遅い速いの3部形式、それから5連符の分散和音の上にとても綺麗な旋律がいく曲、この第5曲はホロビッツがアンコールかなんかでよく弾いた曲ですよね。さてラフマニノフ作曲の作品32、第6曲、第7曲これは又リヒテルの演奏で聴きましょう。これは前の方は猛烈なアパッショナートの曲です。二番目の方は珍しく軽〜い曲です。〜音楽〜

それから第9曲、第10曲、これはシチリアのリズム、タッタータ、タッタータていうリズムに乗った帰還という戻ってくるというベックリンの絵にインスパイアされたといわれる曲。それからその次の曲はLentoゆっくりとした、この二曲はリヒテルの演奏で聴きましょう。〜音楽〜

で間の第8曲を抜かしましたんでここで聴きます。Vivaceイ短調。これはシャコンヌの形式で書かれています。それから11曲目これはマズルカ風の軽快なまるでシューベルトの楽興の時を思い出させるような感じの、それから12曲、13曲これは葬送行進曲のような重々しいリズムの曲で始まりまして次第に盛り上がっていきます。じゃ13曲まで続けてアシュケナージの演奏で。〜音楽〜

以上で作品32、全曲聴き終えました。昔のことでけれども僕、大阪の国際音楽祭でもって、モーラ・リンパニーという女性、当時とても歳をとってたけども女性のことなのではっきりした歳はわからない。けれどもラフマニノフの非常な名人、ラフマニノフ自身からもその演奏を絶賛されたという触れ込みの女性の演奏でこの24の前奏曲聴きました。ちょっと今聴くとどうなるかわかりませんけれども皆様方と一緒にもう一度思い出して昔の名人の演奏聴いてみようと思います。この作品32の第1番、第2番、第3番、第4番を続けて聴きましょう。〜音楽〜

今日は云々を聴きました。それじゃまたさよなら。

名曲のたのしみ、お話は吉田秀和さんでした。