前略おふくろ様 II 第18回 (1977)

サブと政吉がヒソヒソ話をしている。新しい店に二人と仲居のおさきさんが移籍する極秘の計画についてである。今度の日曜日サブが採用テストを兼ねて中川の店を手伝いに行く事になる。

お嬢さんがサブの給料が安いことを気にして上げて貰うよう画策している。女将さんがサブを呼び遠回しに不満は無いか聞いて来る。サブは言いにくそうである。女将さんが言うにはサブの給料が安いと言うお嬢さんの言い分は彼女のわがままだと言う。そこへ秀さんから日曜日店に出てくれないかという話がある。二人は都合が悪いと断る。

スナックのカウンターでかすみちゃんとサブが談笑している。半妻さんの妻が身ごもったので利夫らに当分うちには来るなと言う。胎教の為汚いものを見せたく無いからだと言う。利夫はじゃあ半妻さんはどうなんですかと言う。まあその通りである。かすみちゃんはサブの母からの手紙を出す。恐れていた通り母はかすみちゃんをサブのお嫁さんだと思っており3万円無心していた。かすみちゃんはどうしてかしらと言う。サブは上手く理由を言うことが出来ない。かすみちゃんは一通り文句を言った後に3万円を出す。サブは怒って席を立った。

サブの包丁さばきをじっと見つめる中川の板前。サブは魚をさばき串を刺す。ラーメン屋で正と政吉が良かったよとと言いバイト代を寄越す。決まりだなと言う政吉。サブはまだ迷いがあるようである。

サブは麹町にある内藤のアパートを訪ねる。内藤は同郷の友人である。そこには内藤の母がいてお茶を出してくれた。ここに住んでいると言う。山形の母の話題になる。今はボケボケだが若い頃は綺麗だったと言う。サブは大人しく聞いているだけである。そこへタヌ子から電話が入る。具合が悪くて今日は行けないと言う。サブが心配するとタヌ子は夜遅く来てくれと言う。加東と三人でコタツに入って何か書いている。給料の話になる。三人はおでん屋で一杯やっている。酒が入りタヌ子がトルコ嬢だとか一発やったとかの話になる。サブはブチ切れて酒をぶっかけて飛び出した。その足でタヌ子のアパートを訪れるサブ。

タヌ子がベッドで苦しんでいた。サブが医院に電話するが8軒とも断られる。向こうは救急車を呼べと言うが何故かサブには躊躇があるようである。サブは今度は医院のドアをドンドンとやり言い合いになる。このやり取りは山田洋次の映画「家族」と全く同じである。だが医師が出て来て往診をしてくれる。診察後救急車を呼んでくれた。盲腸だろうと言う。医師は親切に付き添ってくれ結果を教えてくれる。子宮外妊娠だった。子供を堕した跡もあるという。サブはショックを受け落ち込んでいる。いよいよ店を移るかどうか決める時がきた。秀さんの所に入門した頃の事を思い出している。タヌ子の目が覚めた。サブは優しい言葉をかけ明日も来るよと言う。

深川に帰ると朝の9時だった。サブは初めて東京に出てきたときの深川の風景を思い出す。