吉田秀和 名曲のたのしみ 2012年4月21日放送分

今日はラフマニノフの連続放送の20回目にあたります。まず合唱交響曲「鐘」作品35。これはエドガー・アラン・ポーの詩によるもの。1913年の作曲で彼がローマに滞在中に作曲されたものです。作者自身が後の1933年のインタビューであなたの最高の作品は何ですかと訊かれ「そりゃあカンタータ鐘でしょう。ざんねんながら滅多に演奏されないけどね。」と答えたと言います。又ロシア人なら誰でも鐘の音を愛していると言っていたそうです。ポーは四種類の鐘について書いています。橇に付ける銀の鐘、婚礼のしるしである金の鐘、世の中に警告を発する銅の鐘、最後に弔いの鉄の鐘、この人生の最も重要な節々に鳴らされる鐘をめぐってラフマニノフは四つの部分からなる管弦楽の大作を書いたわけです。初演は1913年ラフマニノフの指揮によってモスクワで行われました。それじゃマリア・メシチェリャコーワのソプラノ、セルゲイ・ラーリンのテナー、ヴラディーミル・チェルノーフのバリトン、モスクワ室内合唱団、ロシア・ナショナル管弦楽団ミハイル・プレトニョフ指揮こういった顔触れの演奏で聴くことにしましょう。〜音楽〜

今のは云々。さてこの前聴いた時に作品34の歌曲集の一番おしまいの第13曲「不協和音」聴き残したのでこれを聴きましょう。ゼーダーシュトレーム のソプラノ、ヴラアシュケナージのピアノです。〜音楽〜

それじゃ最後に第14曲として「ヴォカリーズ」母音唱法つまり言葉のない音だけの声楽曲、これはラフマニノフの声楽曲のなかでひょっとしたら一番有名な曲かもしれません。彼の旋律に恵まれた天才の絶頂みたいな曲ですよね。ゼーダーシュトレーム のソプラノ、アシュケナージのピアノでヴォカリーズ聴きましょう。〜音楽〜

今日は云々を聴きました。それじゃあ又、さよなら。

名曲のたのしみ、お話しは吉田秀和さんでした。