映画 Mr.デスティニー (1990)

人生の分岐点で違う選択をしていたらどうなっていたのかを主人公のバロウズが体験する。15歳の誕生日の野球の試合で空振り三振したバロウズはその時慰めてくれた女性と結婚し二人の子供をもうける。妻との仲もまあまあだし家も完成間近である。だが35歳の誕生日に副社長に盾を突いた事で会社をクビになる。

その夜寄ったバーで不思議なカクテルを飲まされたバロウズは15歳の時ヒットを打ったことになる。一転ヒーローとなり全く違う人生を歩む。そうして社長令嬢と結婚し二人の子宝に恵まれたバロウズは大豪邸に住み超高級車を何台も持つという生活を得ていたのである。

翌日から社長となったバロウズは運転手付きの高級車で通勤し豪華な社長室で執務を行いあれこれと指図するが同じ会社なので友人もいるし元の妻も働いていて労使交渉に当たっている。会社では副社長が陰で会社の売却を画策している。昔の生活が恋しくなったバロウズは元妻に接近し過去を取り戻そうとするが副社長に密告され罠にはまり殺人の容疑者にされてしまう。万事休したところでバロウズは再びバーにたどり着き元に自分に戻る。

その後は会社に乗り込んだバロウズが副社長の陰謀を阻止する事によって会社をクビにならずに済み元の楽しい生活に戻るというハッピーエンドのお話である。

アラジンの魔法のランプのような欲望全開系の説話とも、笑うセールスマンのような自滅系の説話とも違っている。両方経験してやっぱり今の生活が一番という結論はある意味為政者による洗脳映画の様でもある。