前略おふくろ様 II 第19回 (1977)

サブは新しい店に移れば給料が3倍になっておふくろ様を引き取れるのだが激しく迷っている。タヌ子の事も難しい問題を含んでいる。

おさきさんが店を移るのではという憶測が広がっている。上客から名刺を貰っているという。大原麗子がドラマの宣伝のために川波に来るという。皆大騒ぎである。半妻がサブを呼び出す。ドラマの仕事を受けた経緯を持ち出して新番組の企画書に因縁をつけてきた。自分の家庭がモデルになっているという。サブが情報を売ったろうと言う。濡れ衣である。真犯人は利夫らしい。

サブの様子が変なので秀さんがサブに問いただすがサブは黙ったままである。夜高円寺の病院にタヌ子の見舞いに行く。面会時間を過ぎていたので巡回の看護婦に見咎められた。半妻の機嫌が直っている。宣伝パンフレットによると3000万人の人がこのドラマを見ていると言う。満更でもない様だ。淡島千景大原麗子に会って云々と言っているが何を言ってるのかよくわからない。その夜サブは川波を辞めた夢を見てうなされる。目を覚ますと邪悪な海ちゃんが居た。相手に女がいたと言う。しかも同棲しているという。私参っちゃったと言って帰っていた。

翌日お得意様ノートが持ち出されていたという事件が起こる。分田上の女将からサブに電話があり呼び出されてスナックで話をする。店を移ることが筒抜けだが秀さんに言ったのかと言う。お説教である。裏切りだとも言われる。こんな所から釘を刺されるとは。

その夜サブは秀さんに打ち明けることにする。屋台のおでん屋で日本酒を飲みつつ秀さんは穏やかに話を聞いてくれた。サブは行くのかと聞かれて分からない、ただ責任は取りたいと言う。そしてこれまでお世話になったお礼を述べる。秀さんは煮え切らない野郎めという顔をしている。サブのアパートに血相を変えた政吉がやって来て移籍の話が潰されたと言う。今度は海ちゃんがやって来て愚痴を話し出す。サブが上の空である事に感づいた海ちゃんはサブに事情を全部白状させた。じゃあ謝って戻ればいいじゃないと言う。海ちゃんの方が腹が座っている。青春は矛盾だらけでいいじゃないかと言う。その後自分のどうしようもない矛盾について語り出す。

翌日何事もなくサブは厨房で働いていた。やっぱり秀さんは度量が広い。